以前「牛枝肉の分割とカッティング」という本を紹介しました。
(記事はこちら→ http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2009/10/post-2e13.html)
見ているだけで楽しい本なので、何度も見たため既に表紙は外れ、バラバラの状態です。
新しく買い直そうにも絶版になっていて悲しい思いをしていたのですが、
同じ食肉通信社から新しい本が出ていたので購入しました。
牛部分肉からのカッティングと商品化
今回の本は「部分肉からのカッティング」です。
肉屋さんの多くは丸ごと1頭ではなく、部分肉のブロックで必要とする部位だけを購入するようですから、それを意識した本作りになっています。
例えばネック(首肉)なら・・・
ネックはよく動く筋肉で硬さがあるので、薄くスライスして(中略)煮込み料理や炒め物用に向けた商品づくりを・・・云々。
と、余分な筋や脂を取り除くトリミングや、スライサーへのセットの仕方、薄切り肉の盛り付けの仕方など、店頭に並べるまでの手順などが書かれています。
プロ向けの本なのですが、やっぱり楽しい!( ̄▽ ̄)
「第1章 枝肉の知識と格付け」では、格付の説明のほか、枝肉の見方のポイントなどが書かれています。
枝肉の見方のポイントに関しては、実際に買参人さんが枝肉のどこを見て良し悪しを判断し、購入するのかが良くわかります。
私も実際に買参人さん達に話は聞いてはいるのですが、本で見るとあらためて納得できたりもして・・・(笑)そういった意味では生産者にも役に立ちます。
安い本ではないし、肉屋さん向けの本だし・・・
特に「肉が好きだ~~~」って人でなければ、あまり必要はないかもですが。。。
牛部分肉からのカッティングと商品化
発行:食肉通信社( http://www.shokuniku.co.jp/ )
定価:本体3,810円+税
BRUTUS 9月1日号のタイトルは ずばり 「うまい肉。」
ま、当然買いますね(笑)
・赤身
・熟成
・ホルモン
・肉イタリアン
・まるごと
・素揚げ
・直営
・サルメリア
という「2012年、8つの肉のキーワード」を基にした、
ブルータス流「肉まつり」ってところでしょうか。
牛肉に限らず、生ハムや流行りの唐揚げに関する記事も面白いです。
数年前からの流れ「赤身」は、ここでも大きく取り上げられています。
赤身の特集のサブタイトルは
「まだ、霜降り主義?」
脂がきらめく霜降りから、肉汁滴る赤身肉の時代へ。
こーゆーのって・・・・
やっぱり生産農家が一番のおいてけぼりを喰らってるって思ってしまいます。
生産農家は、そういった世間の流れに関係なく「霜降り肉」を作り続けねばなりません。
なぜなら、サシを入れなきゃ高く買って貰えないから。
赤身肉が旨いのは知ってるんだよ!
アタシだって黒毛のステーキ食うなら、リブロースよりヒレが好きだい!
BMSなんて12より7位の方の肉の方が好きだよ!
でもね、現在は殆どの肥育農家はA5ランクの牛を作らなきゃ赤字なんだよ!
・・・なんて愚痴の一つもこぼしたくなります・・・
そんなに赤身肉がもてはやされてるのなら、サシが入っていない肉を高く買ってくれよ!
・・・ってところでしょうか。
こういった雑誌とかが一時のブームではなく「赤身肉」を取り上げ続けてくれれば、実際に枝肉を買い付ける業者さんや、JAや畜連、事業団などの肉牛改良を担ってきた人達の意識も変わっていくのかなぁと期待しています。
(私自身は赤身肉はブームではなく、既に定着していると思っていますが)
黒毛和牛の旨い赤身肉は、
旨い脂肪分に包まれているからこそ できるんだよ!
ま、少なくとも私はそう考えてるってことですけど。
このあたりだけは、ブレないでやっていきたいと思う所存でございます、はい。
去年の冬に購入した本。
サブタイトルに
極上の肉焼き処へご案内
とあるように、焼肉屋、ホテル、イタリアンなど肉料理の有名店を紹介している。
主に東京が中心で、私なんぞがすぐすぐ行ける店は無いのだけれど
店ごとの自慢の一品の写真だけで楽しくなる。
面白いのは、各店舗の「肉の仕入れ先」が明記してあるところ。
東京の店が中心なので「芝浦」との回答が多いのだけれど、
問屋や精肉店の名前を挙げている店もあり興味深い。
また、「ニッポンの麗しきブランド牛 産地レポート」の特集も必見。
世界に誇る日本三大和牛の産地探訪と銘打って
松阪牛・神戸牛・米沢牛の農家をレポートしている。
それぞれのブランド牛を育てる農家のこだわりが垣間見える。
松阪牛では、Facebookの「友達」のM氏が登場し、
また、神戸牛では肥育の師匠であるT氏が取り上げられており、
他人事ながら嬉しくなる特集だった。
焼肉本 THE YAKINIKU BOOK
枻出版社(えいしゅっぱんしゃ)発行
定価:980円(税込)
農文協の園芸絵本「そだててあそぼう」シリーズの中の1冊。
読んでみたいなぁ、これ。注文しようかなぁ・・・
なんて思っていたら、既にウチにありました(笑)
数年前に相方が購入していたようです。
もっと早く読めばよかった。
もうね、笑っちゃうほど詳しい内容です。
これが絵本かよ、って突っ込みを入れたくなるくらいに。
ちなみに内容は(目次より)
1.江戸時代末に、西洋人が舌鼓を打った和牛肉のサシ
2.日本の和牛はどこからやってきた?
3.薪や塩を運び、田畑を耕すウシから食べるウシへ
4.ウシは草の化身、しっぽは虫よけ
5.肉を食べるためのウシたち(品種紹介)
6.ウシの一生、和牛のライフサイクル(飼育ごよみ)
7.さあ、ウシを飼いはじめよう!
8.子とりをするか、肥育をするかで、育て方がちがう
9.ウシの草刈りで出前「モー刈る」をしよう!
10.ウシと人との約束「子孫を絶やしてはいけない」
11.子ウシのあつかい方。こんなとき、どうしよう?
12.生きたウシが肉になって食卓にのぼるまで
13.牛肉の生い立ちを追跡してみよう!
14.牛肉の部位とおいしい食べ方いろいろ!
15.おいしいステーキの焼き方
産ませ育てて、食べるまでの事が一通り分かる内容です。
育てるだけでなく「食べる」というところまで扱ってるのが、ある意味すごい。
母牛から誕生して雌なら14~16カ月で人工授精とか、
12~15ヶ月サイクルで子牛を産ませるとか、
5~6産したら経産牛肥育へ回すとか、
オスなら睾丸を取ってしまい去勢して肥育に回すとか・・・
母牛に濃厚飼料をやりすぎると繁殖障害をおこすよとか、
食道梗塞になると反芻できなくてガスがたまる病気になるよとか・・・
他にも、頭絡(もくし)の結び方とつなぎ方、
「刷り込み」の手順、などなど・・・
なんか、すごく勉強になるんですが・・・(@Д@;
つーか、これ、本当に子供向けの絵本ですか?
肉牛の事を知りたいと思ったら・・・、
先ず読んでみれば、ある程度の事はわかります。
牛飼い初心者(に限らず)は、一通り読んでみると面白いかも。
「肉牛の絵本」
農文協発行 定価(税込)1890円
色々買いものしてたら、アマゾンが「おすすめよ」って教えてくれました。
あら、こんな本が出てたのね。知らなかったわ。
ジモンの肉本も買ってる事だし、やっぱり買わなきゃですよ。
中身的には「肉本」と被ってるお店がかなりありますから、
新規開拓のお店を探したい、という目的の人には不向きかもしれないなぁ。
ただ、この本、
写真がほぼ原寸大!!
13.5センチのヒレステーキだとか
16.8センチのサーロインステーキだとか
もちろん肉の厚みなんかもわかっちゃうもんだから
「そうそう、やっぱステーキならこの厚さが欲しいよねぇ」
なんて、頷きながら見入ってしまいました(笑)
お肉がド~ンと目に飛び込んでくるから、すごく食べたくなっちゃいます
(* ̄ー ̄*) (* ̄ー ̄*) (* ̄ー ̄*) (* ̄ー ̄*)
あと、この本のすごいところ
料理人さんが、肉をステーキ用にトリミングする様子
どんな道具で焼いているか
どういう火入れをしているか
厨房の中の様子などなど、
写真で見ることができるんです!
ほ~、プロはこんな風にステーキを焼いているのか・・・
なんて、すごく興味深いし、ある程度は参考に出来そうな気がします。
普通は なかなか見られない写真が満載。
これもジモンさんが今までに築いてきた、料理人さんとの信頼関係があるからこそなんでしょうね。
肉の伝道師として、ますますがんばって頂きたいです!
※関連
ジモンの肉本
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2010/01/post-4163.html
ジモンのステーキ本
えい出版社 発行 998円
今月号の「養牛の友」の特集は、
口蹄疫被害を再検証
2010年口蹄疫発生からこれまで ― 宮崎県養牛農家の「気持ち」を振り返る
(酪農学園大学 蒔田 浩平・NOSAIみやざき 壱岐 佳浩)
2010年口蹄疫発生の総括
(シガスワインクリニック 志賀 明)
口蹄疫を考える 防疫作業に派遣された一人として
(独立行政法人家畜改良センター岩手牧場 白戸 綾子)
被災者支援と精神保健対策マニュアル作成
(宮崎大学医学部、宮崎県精神保健福祉センターほか)
「被災者支援と精神保健対策マニュアル作成」では、今まであまり報道されなかった殺処分を受けた農家・殺処分、埋却作業に従事した人たちの身体的・精神的な負担がどのようなものであったか、行政側がどう対応すべきか、などが書かれています。
当時、感染が爆発していた地域からは遠く離れている私でも血圧が上がり、常に首の後ろが重く熱を持った状態でした。
宮崎日日新聞には農作業中に倒れ亡くなった養豚農家さんの記事が載りました。
このブログのコメント欄にも「わけもなく涙が流れます」「がんばれと言われても、どうがんばれば良いのか わからない」と何人もの畜産農家の方が書いていました。
実際に自分の家畜が殺処分されたわけでもない農家でさえ精神的に追いつめられ、体調を壊す人は報道に流れないだけで相当数いたのではないでしょうか。
行政の側の人達には、防疫のみでなく万一の時の精神的ケアにも心を配って欲しいと思います。
やっぱり読んでほしいですね、畜産農家並びに自治体の方に。。。。
養牛の友 日本畜産振興会
http://www.pluto.dti.ne.jp/chikusan/
こちらからも購入できるようです
↓
http://www.fujisan.co.jp/product/1281682347/
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
2月は家畜防疫強化月間です!
本日はウチの農場でも、市による牛飼養者全戸巡回調査が行われました。
前回はGPSで農場の場所が確認できるようにするための調査が主でしたが
今回は、飼養衛生管理基準チェックと、牛舎の配置・面積や埋却地の確認も行われました。
家畜伝染病の情報をいち早く提供するメールサービスの登録がお済でない方は是非!
海外での発生情報も知らせてくれますので、県外の方にもおススメです。
↓
https://www.fastalarm.jp/miyazaki/htdocs/
登録手順は、こちらから
↓
http://www.pref.miyazaki.lg.jp/parts/000158557.pdf
ドキュメント口蹄疫 宮崎日日新聞社(農文協発行)
帯にある「記憶の風化を許さない」
以下、書評というより当時を思い出しての感想だから、長いです。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
巻頭、口絵の写真から涙を流してしまった。そして読み進めるうちに当時を思い出し胸が締め付けられる。ウチは実際に牛を殺処分の憂き目に合わせたわけではない。それでも当時のつらさは尋常なものではなかった。
真綿で首を絞めつけられる・・・まさにそれであったから。
実際に感染した人、ワクチン接種により家畜を処分せねばならなかった人々に比べれば、取るに足らないものかもしれないが、じわじわと広がる口蹄疫の恐怖におののきながら日々を過ごしていた。
自分の農場の事だけでは済まない。
もし自分の農場が感染してしまえば、半径数キロ内の農場の家畜全部がワクチン接種のうえ、殺処分されてしまうかもしれないのだ。
頼りになるのは情報だけであったのに、ネット上の情報は、真実とはかけ離れた憶測や推測。
例えば、某国の研修生を某牧場が受け入れていた。
例えば、某牧場がチーズを作るために輸入した水牛が云々。
例えば、消毒薬が横流しされていた。
果ては、某国と某政権の陰謀論。などなど・・・・
現政権の不備を追及するためだけに書かれたものもあった。
政権を非難したいがため、書きたてたいがために「口蹄疫が利用されている」としか思えないもの。
政権がどうとか、当時の私達には関係なかったのだ。
誰でもいいから「この感染拡大を収めてくれ!」
その思いだけであったのに。
そして、頼りにすべき某獣医師の掲示板でも「知識」を持った人はいても「知恵」を授けてくれる人はいなかった。
「知識人達」は、ウイルスを封じ込めるためにどうすればよいのかを議論し始めるわけだが、その内容は「火山に患畜を投げ込む」だの「酢漬けにする」など、現実とはかけ離れた妄想としか言いようのないものだった。
まるで言葉遊びをしているか、あるいは、知識をひけらかすために状況を楽しんでいるかの様相で口蹄疫の恐怖に直面している私達の神経を逆なでするだけだった。
私達が牛を、豚を守るために何をなすべきが、今現在、どういう状況にあるのか・・・・
教えてくれるものは何もなかった(少なくとも当時はそう思っていた)・・・
そんな中で頼りになったのは、地元メディアの発信する「事実」「情報」だけだったと言えよう。
実際には「個人情報の保護」により、詳しい事は分からなかったが、事実のみを伝えてくれる地元紙をこれ程までに、ありがたい、と感じた事はなかった。
「県民が一丸とならなければ、この難局は乗り切れない」
「危機感を共有して貰うには、農家の悲惨な状況や、心の叫びを伝える事が最善」
この思いはやはり地元紙だからであったろう。
実際には、全国紙の地方版の記者達もかなり踏み込んだ記事を書いてくれている。
今までに何度も書いたが、毎日新聞社の石田記者の初発農場に関する記事は、当時国によって「初発」と断定された水牛農家に寄り添いつつ、事実を追求していこうとしていた。
何度も足を運び、電話をし、取材を重ねたであろう姿が文面からも伝わってくる。
(彼は終息後も口蹄疫がもたらす影響を書き続けてくれている。)
日本農業新聞は、えびの市に感染が広がった時、ホンの数メートル先で口蹄疫の感染疑いが出て、自分の牛を守る事が地域全体を守る事だと、牛舎で寝泊まりし他人を寄せ付けず、ひたすら牛を守った人の話を記事にしてくれた。(ワクチン接種による殺処分になるかならぬかの中、この農家さんを取り上げてくれた事は、大いに我々に希望を与えてくれた)
ただ、全社挙げての取り組みでは、やはり地元に根付いた「宮崎日日新聞」がはるかに強みを持っていた。購読者の多い地元紙は「危機感」、当時畜産農家の間でまん延していた「閉塞感」を県民の共通認識として浸透させてくれたのである。
これらは「県内の経済活動の停滞」を招いたかもしれないが、共通の危機意識を持つことが口蹄疫の終息に繋がったであろうことは否めないと思う。
口蹄疫から2年近くを過ぎ、「宮日」が当時を振り返った本を出した。
それが、この「ドキュメント口蹄疫」だ。
この時間を経ねば書けなかった事もあるだろうし、経たからこそ書けた事もあるのであろう。
発生当初から終息に向けての経緯、全国各地からの応援、新生と復興にかけての一連の流れがよくわかる様になっているが、本書には、記事になった事柄のほか、取材によって得られた「紙面には現れなかった」事実、記者たちの心情も多く書かれている。
口蹄疫の最中、宮崎を訪れた小沢氏の傍らに当時国政への意欲を見せていた渡辺創氏(現宮崎県議)の姿があったことは、その訪問が如実に選挙対策であったことを物語るし、赤松農相(当時)が口蹄疫の最中、メキシコ・キューバに訪問すると発表された時の宮日記者たちの驚き・失望や落胆はいかばかりであったか。。。。当事者でなければ理解しがたいかもしれない。
当時の東国原知事と山田農相のバトルに関して、ワクチン接種後「空白地帯」を作るというバカげた国の案に関して、県や市町村・自衛隊の連携不足などに関しても記者が目にし、思ったことが。
もちろん、当時の政権や行政に対する不安や懐疑だけでなく、「種牛の問題」に関しては報道の仕方に対して問題があったのではないかとの反省の弁もみえる。これも、時が経ち、色々な検証がなされたからこそ書けた事だろうと思う。
他にも当時は記事にされなかった、あるいは事実のみが淡々と描かれていた殺処分の現場の様子、そして、実際に宮崎県民が受けた風評被害などに関しても。
宮崎ナンバーを付けたトラックでは仕事が取れず、やむなく他県に事業所を作った運送会社。
発生地から遠く離れているのに取引を中止されたキャベツ農家。
宮崎県ナンバーの車で県外に出かけた一般県民が「熊本で車に石を投げられた」「鹿児島のレストランで入店を断られた」などの話。
実際にそんな話が聞こえてきても、当時の私達畜産農家は「口蹄疫を発生させてしまった宮崎県が悪いのだ」「感染拡大を抑え込めていないのは自分達が悪いのだ」と被害者ならぬ「加害者意識」にさいなまれ、何も言えず、ひたすら我慢し続けることしかできなかった。
だからこそ、ただひたすら「絶対に県外には出さない」と防疫を続けていたのだ。
今思えば、当時は見えなかった反省すべき点があった事も、もちろんわかる。
けれど「県外に口蹄疫を出さなかった」
このことは、宮崎県民は、宮崎の畜産農家は、もっともっと自信を持って良いし、自分達を褒め称えても良いと思う。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
本当は忘れてしまいたい当時の辛い経験を忘れ去るより伝えていくことが、これからの日本の畜産現場には必要な事だと改めて思い出ださせてくれた、そんな1冊だった。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
日本全国の自治体の畜産関係部署の方、宮崎を応援して下さった方々はもちろんですが、個人的には、当時「宮崎は何やってるんだ!」「宮崎の畜産農家が呑気だから」と怒りまくっていた全国各地の畜産農家の方々や、膨大な知識を基に、あるいは推測と憶測だけで宮崎を非難し続けていた方に、「実際、あの時、何が起こっていたのか」を知って頂くためにもぜひ読んで頂きたいと思っています。
※その他、当時の事が知りたい方へのお勧め本★闘う!ウイルス・バスターズ 最先端医学からの挑戦
(朝日新書・河岡義裕、渡辺登喜子)「連続対談 境政人さん 口蹄疫と闘う!」の中で、種牛の移動の経緯についても書かれている
★日本農業の動き174 口蹄疫この一年、畜産再建と危機管理
(農林統計協会発行 農政ジャーナリストの会編)・農畜産業を活性化するため有畜農業の展開を模索・・・・・野村 一正
・口蹄疫とどう戦うか・・・・・・・・・・・帝京科学大学教授 村上 洋介
・生産者は口蹄疫にどう対応したのか・・・・JA宮崎経済連会長 羽田 正治
・世界に誇れる安全保障をどうつくるのか・・・農林水産副大臣(当時) 篠原 孝
・危機管理と畜産業の課題・・・・・・・・・日本獣医師会会長 山根 義久
★畜産市長の「口蹄疫」130日の闘い
(書肆侃侃房 橋田和実著)内容紹介(Amazon)
畜産市長の異名を持つ宮崎県西都市の橋田和実市長が
口蹄疫という見えない敵と向き合った真実の記録。
獣医師や農家の人びとの肉声と西都市版初動対策マニュアルを同時収録。これは我が国史上まれにみる大災害であり、まさに「口蹄疫が蔓延すると国が滅ぶ」に繋がるものであった。忍び寄る恐怖、発生確認から爆発的な感染拡大。泥沼のようなワクチン接種と殺処分の日々。主力産業である畜産の崩壊を止められるのか。西都市の口蹄疫対策本部長(市長)として現地の指揮を執り、畜産農家との話し合い、国や県への要望と交渉、埋却地用地交渉、そして殺処分埋却作業に携った市長にしか書けない克明な記録。口蹄疫が発生すると何が起きるのか?対処法は?今後の口蹄疫対策のバイブルとなる一冊。
表紙は何かと話題の「ドライエージングビーフ」
料理通信、専門料理、どちらもプロの調理人向けの本なんだけど、
牛肉の特集の時は目に付いたら出来るだけ買うようにしています。
専門料理 12月号は、ズバリ「牛肉」
買わなきゃでしょ、とアマゾンに注文。
なかなか読みごたえのある本でした。
プロ向けの本を読むのは、
牛肉がどんな風に調理されるの?、
普通の主婦でも参考にできるレシピはないの?
ってのを見るのが目的。
何より美しい料理の写真は、幸せな気分になれるから。
・・・ですが、やはり生産者としては
「プロが どんな肉・部位を どう使うのか」
知りたいというのもあります。
カッコ良く言うと「市場調査の一環」 (* ̄ー ̄*)
最近の傾向を見ていると、やはり「黒毛和種」以外の牛肉料理が多いのに気付かされます。
この本を見ても褐毛(あかげ)和種の「すだち牛」「くまもとあか牛」「土佐あかうし」、日本短角種の「いわて短角和牛」、中には好んでホルスタインの肉を使う料理人が紹介されています。
今日見たNHK宮崎ローカルの特別番組でゲストとして招かれていた山本謙治氏が、この本を番組内で紹介しつつ、「ヨーロッパなどで修行してきたシェフは霜降りの肉は使わない。赤身の肉での料理を学んできている。日本でも良い赤身の肉があるんだと知り、褐毛や短角を使うようになってきた」みたいな事を言っていました。
牛肉自由化で、サシが入っていないアメリカ産牛肉と競合し衰退していった褐毛や短角種に、若手の料理人の台頭で再び注目が集まってきているのです。
この様な本で紹介されれば、読者である「プロ」達もまた
「一度は褐毛や短角を使ってみたい」と思うでしょう。
「黒毛和種」でも料理で使われているのは「フィレ」「シンタマ」「ラムシン」などの赤身が中心。
転換期が来ているのは、間違いがなさそうです。
かといって「黒毛和種」がなくなるとは、私は思っていませんが。( ̄ー+ ̄)
また、この本では「料理人に伝えたい 農家と牛の現在」と題して、松本大策獣医師へのインタビューに基づいた記事が書かれています。
「現実は厳しく、まずは畜牛業が ”仕事として成り立つ” レベルにならなくては。そのためには、料理人の協力が必要です!!」
口蹄疫、ユッケ事件、原発事故などで牛肉が「コストが高いのに、安くしか売れない肉」になっている現状(特に東北・北関東での)や問題点を語られています。
これを「実際に肉を扱う、消費者に一番近い存在の料理人」向けの本が取り上げ記事にしてくれた意味は大きいと思います。
日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
31 |
最近のコメント