食肉などの生食に関する調査会(第2回)
忘れもしない「焼肉えびすのユッケ事件」、あれ以降、肉の生食に関して厳しい状況になりました。
ユッケ用として使われていたモモ肉の売り上げが落ち、焼肉屋さんのみならず精肉業者も大変な時期が続きました。
生肉に引き続き、生レバーも食べられなくなりました・・・。
副産物を取り扱う業者さんも大変ですが、肥育農家も内蔵価格の引き下げで打撃を受けました・・・。
(現在は厚労省の生食用牛肉加工基準・調理基準に適合した施設で作られた密封パック入りのユッケは、管轄の保健所に届け出た焼肉屋さんで食べる事が出来ます)
南九州って昔から鶏肉を刺身で食べる食文化がありまして、肉の生食に関しては結構馴染みがある地域なんですよね。
私自身はユッケにはさほど煩悩は無かったわけですが、レバ刺しは好きでしたし、肉の生食の厳正化で食べなれた鳥刺しまでも議論の対象になっているらしいと聞けば、「食肉などの生食に関する調査会」の会議内容は、すごく気になるところです。
「食肉通信」が今回(第2回・3月17日)の調査会の記事を書いてくれましたので要点のみ。
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★今回は「今後の検討の進め方」を決定するために、議論の参考とすべく、各団体からの報告を受けた。報告内容は次の通り
①自治体調査の生食などの提供に関するアンケート結果
②食肉などの生食に関する事業者の取り組み等に関するアンケート結果
(日本食鳥協会・日本副産物協会・全国食肉事業協同組合連合会・日本フードサービス協会)
③東京都におけるカンピロバクター食中毒事件一覧
④東京都におけるカンピロバクターなどを原因とする食中毒発生状況
⑤厚労科学研究の
・内臓肉の衛生管理に関する研究
・熊本県における猪、鹿および豚のE型肝炎ウイルス汚染実態調査と分子疫学解析
・カンピロバクターの制御に関する研究
⑥生食用食鳥肉などの安全に関する自治体の取り組み(宮崎県と鹿児島県)
⑦腸管出血性大腸菌O157散発例のリスク想定および発生状況など
★本格的な議論は次回(第3回)から。検討内容は次の通り
①食肉などの種別ごとのリスクの大きさ、検討の優先順位
②優先順位の高いものから、リスクの大きさに応じた規制手法について
★第3回の議論が終了した時点で乳肉水産食品部会に報告
26年度以降も検討の優先順位にしたがい、食肉などの種別ごとに規制手法のあり方について引き続き検討する
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また記事には次のような事も書かれていた
★副産物協会などから出た意見
(食の選択の自由を背景としている。牛生レバー生食禁止への疑問も)
・資料を見れば生食が危ない事は確認されたが、それでも牛レバーの生食については、消費者の食べたいという声にどのように折り合うか
・管理する側の意見ばかりではなく、食べる消費者の意見もきいて議論してほしい
・食中毒を出せば業者は営業停止になるので、あらゆるデータ、客観的な資料を示してほしい。議論して、その結果としてゼロリスクを求めるのか?
★公益衛生や医師、研究者の代表の意見
・屠畜時の肝臓圧迫で肝臓汚染は明らか。事実として、子供が食べると重篤となり、熱を加えて食べるべき。食文化ではなく、心の問題とすべきだ。
・リスクに応じた規制には整合性がある、現状での生食禁止を支持
また、牛レバーに関しては
★生食が安全であると担保できる地検が研究された時点で、再度調査会で生食について検討を加えると確認
ということです。以上
※関連
牛肉ユッケが復活の兆し(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/130217/wec13021719090003-n1.htm
エスフーズの国産牛ユッケ
http://www.sfoods.co.jp/top/yukke.pdf
※厚労省
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会資料(平成26年3月17日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000040554.html
薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会食肉等の生食に関する調査会資料(平成25年12月26日開催)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000033719.html
生食調査会が改めてリスクと規制手法確認、次回から本格議論
http://www.yakiniku.or.jp/sei/meet_data2.html
生レバーに関しては実際に、ある種の溶液に漬けたり、紫外線等で菌を死滅させる方法など研究されているようですので、今後に期待というところでしょうか・・・。
個人的には、あらゆる食品において「ゼロリスク」を求めるのは無理なのではないかと思ってます。ゼロリスクを求めるなら、フグだって生ガキだって規制の対象にならざるを得ないんじゃなかろうか・・・なんて事も考えてしまいます、はい。
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