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2014/01/15

すんません、肉の直売やってませんm(__)m

昨年、何件か「お宅の肉が買いたいんだけど」という問い合わせを頂きました。

結論から言うと「直売はやっていません」m(_ _)m
はい、申し訳ありません。丁寧にお断り申し上げました。

実は、その内の1件は「取り込み詐欺」だったと踏んでるんですが(;^ω^)
取り込み詐欺に関しては宮崎日日新聞や農業新聞でも取り上げられました。

「お宅の商品を取り扱いたいのですが、とりあえず商品を送って頂けないでしょうか?」
と、問い合わせがあり、商品を送るときちんとその代金を振り込んでくる。
んで、「すごく美味しかったです!弊社としては是非お宅の商品を売りたいです!つきましては商品を100個ほど送って頂けないでしょうか?」
と、追加の商品を送らせて、代金を支払わないまま連絡が取れなくなってしまう手口です。

農家の皆様、くれぐれもお気を付けください。

Photo

今、6次産業化とかで、生産者が生産物の加工や販売をやるのが生産者の所得増加にも繋がる!と国も後押しをしてますね。

これに関しては異存はないのです。例えば・・・

果物を生産している農家が規格外の商品で自家産のジャムを作って直売所で売ったり、
生産者組合が菜種を育てて自分たちで精製し菜種油を売ったり、
米農家が米粉やお餅、あられやお煎餅を作って売る、

本当なら規格外でお金にならなかった農産物が、ひと手間けることにより収入になる。
間に入る加工業者がなくなることで、農家の収入が増える。

いいことづくめの様に感じます。

実際、ウチも10数年前は「直売やるのも良いかもね~」なんて考えていた時期がありました。

ただね、畜産関係の商品に関しては、特に重量が大きい肉用牛に関しては、すごく難しいんですよ。

まず、1頭の牛からは200数十キロのお肉が取れます。
これを売りつくす事は非常に難しいのです。

・お肉を保存しておく場所・冷蔵庫・冷凍庫が必要

・お肉を販売用にカットするための場所・機械が必要

・お肉を販売用にカットするための技術を持った人員が必要

・お肉を販売するための場所・人員が必要

・お肉を販売用にカットした時に出る端材や店頭での売り残りを加工する技術と設備が必要
 (お肉屋さんがコロッケやメンチカツなどの加工品を売ってるのはそのためです)

・牛肉の部位は多岐にわたり、それを売りつくすのが大変
 (一般的にロースやバラは売れるが、それ以外の部位をどうやって売るのか?)
 

Shouniku1024x724

 

▲画像は http://beef-lab.com/ さんからお借りしました

自分のウチで育てた牛のお肉の販売をしている方を知ってますが・・・
その方、曰く、
「1頭分の部位を売りつくすのに飲食店、7軒が必要だった」
との事。

バラを焼肉屋さんに売って、
サーロインとヒレをステーキ屋さんに、
肩ロースはすき焼き屋さんとしゃぶしゃぶ屋さんに、
モモ肉はイタリアンのレストランに、
ランプは、スネは、マエバラは・・・・

その方は1頭分を引き受けてくれる7軒と契約を取り付けるまでに、
恐らく100軒近い飲食店を回ったに違いありません。

Photo_2

自分で売るって事は、これだけの事をやらなきゃいけない。

自分が営業・交渉に時間をかけるあまり牛の管理に裂ける時間が無くなるようであれば、
「きっちりと飼養管理ができる従業員」、

自分がしっかりと牛の面倒を見ようと思えば、
「営業・交渉をきちんとやってくれるセールスマン」
が必要になるんです。

ね?
めんどくさいでしょ?
設備投資も人件費も大変でしょ?

「ウチは牛肉の直売をやるメリットってほとんどないなぁ」
「そこまでして自分で自分の育てた牛のお肉を売りたいのか?」
「何より、自分に営業力や交渉力があるのか?」
「後継者もいないのに、そこまで経費をかける必要があるのか?」
と色々考えた次第です。

無理に直売を考えるよりも、先ずは自分の作ったお肉を卸屋さんや飲食店に気に入って頂ける様、リピートして購入して頂ける様、しっかりと牛を育てていく方が、ウチとしては結局は経営上も得なんじゃね?と直売をやらないという結果に達して今に至るのでありました、はい。

もちろん、方法は色々あって、例えば、

・売りやすい「すき焼き用」「ステーキ用」「焼き肉用」に使える部位だけを卸屋さんから買い戻して販売する

・売りやすい部位を即販売出来るようにカットしてパック詰めして貰い、店頭だけでなくネット販売する
(これに関しては実際に、卸屋さんから「やってみない?」とも言われました)

などです。

これも、

売りやすい部位って、要するに値段の高い部位なんだよね。

解体・トリミング・パック詰めを業者に頼むにしても、それなりの料金が必要なんだよね。

カット、パック詰めした売りやすい部位だけ販売するにも、それ相応の冷凍庫などの設備が必要なんだよね。

「それって商売としてあんまり美味しくないんじゃね?」
ということで、ウチでは却下となりました。

繁殖農家の方と話していて、よく聞くのが

いずれは肥育までこなす一貫経営

肥育まで可能になったら、肉の直販や焼肉屋さんなどの飲食店経営

という話です。

夢を持つのは必要ですし、夢を語るのもまた素敵なことです。

ただ、それには第1次産業従事者としての「牛飼い」の技量だけでなく、
第3次産業の「経営者」としての才覚もまた必要な事だけは忘れないでほしいです。


まぁウチは自分で売るって事に必要な営業力や交渉力が足りないと自覚しておりますし、
また後継者もおりませんから、これ以上設備投資をして何になる?という思いもあって
「直売」という一つの可能性を捨てたわけで偉そうな事は言えないんですけど。

「自分が育てた牛のお肉を自分で売りたい・食べて貰いたい!」という強い意志がある若い人は、それに向かって、ぜひとも頑張って頂きたいと思ってます。

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コメント

「6次産業に活路を見出す」、こればかりでもどうかと。最近、県の農業施策で表に出てくるのは、こればっか。当然、マスコミの責任もあるんですけど。そもそも6次産業化によって、今の第1次産業が生産するものをカバーできるのは、ごくごく一部だと思います。今に飽和状態が来るのは間違いないです。(もう来てる感もある。)大事なのはバランスです。消費地に生産物を出荷する今の田舎の農業漁業の仕組みをどうやって発展させるか、それが大勢にかかわる問題で、田舎の経済の根幹ですので、今の行政のパワーバランスには疑問がある私です。ちょっとだけ捕捉させていただくと、6次産業を否定しているわけではないですからね。6次産業化しないと手抜きだという今の風潮に疑問がありありなだけです。僕だったら、ねーよと言ってしまいそうなところを、丁寧にお断り申し上げる山崎さんは人ができてます。

ヤッバのNさん

>6次産業化しないと手抜きだという今の風潮

それそれ!
ウチが直売や焼肉屋をやってない事に関して「山崎はやる気がない」と言う人もいるわけです(;^ω^)
他の農産物にしても「国も補助をしてくれるんだから」と無理に6次化に持っていかなくても良いと思うのです。
農家にこれ以上の借金背負わせて、何になるんだという気がしないでもない。

例えば「農商工連携」って方法がありますよね。(M議員が一生懸命やってくれてますけど)
あたしゃ6次産業化よりも、こっちの方が先だと思うわけです。
(その点では高原町の「花堂」の取り組みは、すごいです!)
行政が1次産業、2次産業、3次産業を上手い具合にマッチングしてくれれば、
生産者自身が余計な機械を揃えたり、無理に加工に費やす時間を作ったりせずにすむし。
もちろん、生産者も「販売すること」に関しては、もっと関わって行くべき。
自分たちが作った物に責任を持つ意味でも、農作物や畜産物を「作ったら終わり」じゃ、ちょっと悲しいですよね。

丁寧にお断り申し上げるのは、実は得意です(笑)

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