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2013/05/23

子牛が高いんですけど・・・

我々肥育農家は、子牛競り市で生後8~10カ月程度の牛さんを買ってきて、
お肉にするべく育てるのが仕事です。

この子牛競り市、全国各地で開催されているのですが・・・・

いや、最近、子牛の値段が高いのなんのって。(;´Д`A ```

4月の岐阜県の子牛相場は去勢の平均価格が60万円を超えてます。
90万円台の去勢も数頭いたみたいで・・・・。

繁殖用の雌牛が血統やら持っている力を評価されて100万円を超すことは結構あるのですが、「肉」にしかならない去勢の素牛(もとうし)が90万円を超えるなんて、これを買った肥育農家はいったいいくらでこの牛を売るつもりなのかしらと心配になってしまいます。

まぁ、ウチが心配する筋合いでもないのですけど。。。。

5月の相場も高値堅調ってところでしょうか。

小林でも子牛のセリ市が開かれていたわけですが・・・・

5月も高いぞーーーーー!!!

と言いつつ、先月までの動揺はありません。
なんかもう、高いのに慣れちゃったって感じでしょうか。

愛読している「食肉通信」でも素牛価格の事が取り上げられていました。

4月30日付の記事なんで少々古いですが・・・・
例によって要点のみ箇条書きで。

タイトルは「和子牛上げ止まらず 乳牛も品薄で高値続く」でございます。

全農畜産部調べの全国主要市場成績(黒毛和種4月24日時点)速報値税込

・雌牛 42万9680円(前市比1万3340円高)
・去勢 51万3564円(前市比1万6164円高)

・総計(雌・去勢合計)は47万円台に突入(前市比3%増)

これは算定基準を見直した昨年4月以降、過去最高値を更新。

相場高騰の背景

・主因は素畜の資源不足(繁殖農家の高齢化など)

特殊要因として

・一部地域で継続的に支給される原発関係の賠償金

・安愚楽牧場なきあとの畜産振興策(一定条件下で導入支援の手当てが購買者に支払われる地域がある)

副次的な相場の上げ要素が幾重にも絡み合っている状況。

相場高の仕入れ難で導入遅れの空き牛舎も目立ち回転導入意欲は高い

先行きの枝肉出荷時の逆ザヤ懸念が高まる中、体力勝負の素牛争奪に拍車をかけている

先行きの上昇幅は不透明

5月も需給バランスが改善される材料は無い

全国平均は去勢で52万円超え、総計(メス、去勢合計平均)は一段高の48万円台か。

5月16日付の日本経済新聞にも

和牛子牛 取引価格11%高 4月

という記事がありました。これも

・5年ぶりの高値水準で、頭数の減少が主因

・113市場4月の平均取引価格 465448円(前年同月48,080円 11.5%高)

・4月和牛子牛の取引頭数は約2万8千頭。前年同月比約6%減少)

上に書かれた理由以外にも、子牛が高値を維持している要因の一つとして

・安愚楽牧場破綻で農場が切り売りされたわけだが、肥育部門を引き受けた企業が子牛を多数購入しているから

という話も聞きます。

安愚楽牧場は(実際はどうだったか知りませんが)、子牛生産から肥育までを行う一貫生産を売りにしていました。

ですが、切り売りされた「肥育部門のみ」を買い取った企業は、子牛を自社農場では調達出来ないので市場で買うしかない。

市場での購買者が増えた事によって、子牛価格が高騰している。

ま、そういった話です。

実際にそういう企業がどの位の子牛を市場調達しているかは資料がないので分かりませんが、こんな話もあるよ、ってことで。

数か月前の食肉通信に

「3等級の肉が高値推移しているが、下から押されるかたちで4等級も上がってくるだろう」

との記事がありました。

4月以降、確かに4等級の肉が上昇しています。

年末は歳暮などの手当てで牛肉卸売価格は上昇するのですが、2月3月は、大手食肉会社の決算の関係で、在庫を増やしたくないとの思惑から買いが入らず、価格が下落する事が多いです。

その反動から4月に上昇するパターンはあるのですが、今年はそれが特に顕著なようです。

上昇した枝肉価格に安心した肥育農家が子牛価格が少々高くても買いに走っているのかもしれません。

日経新聞には景気回復を期待しての買い、みたいに書いてありますが・・・
どうなんでしょうねぇ。

約2年後の枝肉価格の高騰を期待したい気もありますが・・・・。

それって博打じゃん。

と、あくまで地道な風を装う弊社シャチョーでありました。(* ̄ー ̄*)

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

子牛の資源不足って、実際どの位足りないの?

色々見ていたら、次の資料が見つかりました。

参考までに。

Photo
資料:農畜産業振興機構調べ。                  
注1:機構調べの肉用子牛は、都道府県指定協会等からの報告をもとに全国集計した。
       肉用子牛は400日を越えるもの及び体重100kg未満の子牛を除く。      
 2:価格は消費税を含む。                  
 3:当年度累計は単純平均であり、うち取引頭数は年度の合計である。

http://www.alic.go.jp/livestock/index.html

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子牛の話」カテゴリの記事

コメント

お久しぶりです!
こちらの市場も高値が続いています
繁殖農家としてはとても嬉しいんですが、将来的に肥育屋さんが潰れてしまったら私たちもやっていけなくなるわけで…(-.-;)
なんでもちょうどいいのがいいですね
あと飼料代もどんどんあがっているので、ちょっとでも経費削減できるように頑張ってます(>_<)

こんにちはいや~小林のセリ高値だったですね さすがにこれはちょっと…という感じをうけました。 子牛不足や肥育農家の増頭、経済の上向などいろいろと言われていますが皆さん、ん~??と思いながら購買したのではないでしょうか。 私も、いろいろと考えながらセリに参加しました。(まぁ~参加してたのかしてなかったのかわからない位でしたけど…)

hanaさん

枝肉相場が高ければ、子牛が少々高くても平気なんですが・・・(^-^;
お肉が高すぎても消費者は買ってくれないわけで・・・
みんなが上手くいくような価格って、いったいいくらぐらいなんでしょう・・・
う~~~~みゅぅ・・・・

飼料が上がってますねー。まだまだ高くなりそうです(汗

>ちょっとでも経費削減できるように頑張ってます(>_<)

どこを節減するかを間違えないでねー、とか色々な話がシェパードの大策先生のコラムに書かれています。
http://www.shepherd-clc.com/archives/3700
http://www.shepherd-clc.com/archives/3815
http://www.shepherd-clc.com/archives/3844

是非読んでみて(*^。^*)
けっこう頷ける話です。

うづきさん

肥育の立場からすると、資金を回転させるためにも無理して買わなきゃ・・・
って気持ちもありますしねー
約2年先の枝肉価格高騰を夢見てがんばりますー(^_^;)
しかし、この子牛の高い時に増頭とか、すごい人もいるのねー。びっくり。

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