先日、繁殖農家の若者が事務所に顔を見せてくれまして・・・
ちょうど前の日に神戸で共励会があり、そこでウチのお肉が最優秀賞をとった事もあり、話は自ずとその方向へ行くわけです。
「忠富士(口蹄疫の時に殺処分された)だったから今後の参考にはならんかもしれんけど、A5等級BMS12だったよ」
「え~!!!だったらキロ7000円位で売れたんじゃないですか?」
「え?・・・・・・」
フェイスブックに写真入りで載せたら、見た人からは
「ずいぶん儲かったでしょう?」なんて言われるし・・・・
いかに繁殖農家さんが「枝肉」と遠い所にいるのかがわかる出来事でした。
まぁ、肥育農家は繁殖農家の苦労を殆ど知らないわけで、
「繁殖農家も少しは枝肉の値段くらいは知っててよ」
などと言うのも、すごく偉そうに聞こえるだろうなぁなんて思ったりもするのです。
それに、市場関係者や卸業者さんから
「肥育農家さんは、せめて自分の枝肉ぐらいは見に来てほしいんですが」
「成績と値段だけ聞けばそれでOKという肥育農家さんも多いです」
「成績が良ければ脂の質とか考えない人もいるんですよ」
「自分が育てた牛の肉を食べた事がない肥育農家もいるわけで」
・・・なんて話も聞くわけです。
肥育農家だから、みんなが「自分が作った枝肉」の事を考えてるかと言えば、残念ながらそうでもないらしくて・・・・。
「最終的には消費者に届くお肉の基を作ってるのは繁殖農家なんだから、牛だけじゃなくて肉の事も少しは勉強しろよ!」
なんて簡単には言えないよなぁ・・・と。
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正直に書きましょう。
今回のA5等級BMS12の枝単価は
キロ単価 2300円代でした。
世が世なら(笑)3000円位はしたかもしれません。
(10年位前の話ですけどね・・・。)
たとえA5等級の枝でも、2000円を超すのが難しいのが今の相場です。
さて、この枝肉価格ってやつですが、日本農業新聞には火曜日から土曜日まで、主要な市場の前日の取引平均価格が掲載されます。
日本経済新聞にも載りますね。
この主要市場での取引価格が、地方での枝肉取引の価格の目安になります。
例えばウチが月に数頭出荷している宮崎のミヤチク高崎工場で処理されたお肉の値段を決めるのには、大阪と東京の間近1週間の平均価格を参考に卸業者さんと「相対取引」されます。
「A4等級BMS7だから、東京・大阪がこれ位だし、○○○○円でどう?」
「この枝肉は抜けがいいから、50円位は上乗せしてくださいよー」
などと値決めを交渉するのです。
ウチはJAさんを通してないので、JA経由の値決めがどの様に行われているのかは知りませんが、ま、似たようなものじゃないかと思います。
この枝肉価格については、日々の取引に関しては
(社)日本食肉市場卸売協会のHP(http://www.jmma.or.jp/)や
独立行政法人 農畜産業振興機構(alic)のHP、畜産、統計資料
(http://www.alic.go.jp/livestock/index.html)でも、見ることが出来ます。
新聞にしてもこのHPにしても注意しなければならないのは、
☆東京の市場に関しては
・毎週月曜日は松阪牛の取引が入り、平均価格が跳ね上がる
(東京は全体の上場数が多いので、跳ね上がるとは言っても平均すれば200円くらいの上昇)
☆神戸市場は
・月曜日に神戸ビーフの共励会が入ることがあり、平均価格が跳ね上がる
(神戸の場合は月曜日に限らず、神戸ビーフが搬入されると値段が上がる。神戸は上場数が少ないので神戸ビーフの影響を受けやすく、他の市場と比べると高値で推移しているように見える)
☆どの市場でも大きな共励会が入ると、平均価格は上がる
という点です。
大阪の市場に関しては資料が無いのでよく分かりませんが、
東京に関しては 東京食肉市場・共励会カレンダー(http://www.tmmc.co.jp/kyourei/index.html)
神戸に関しては 神戸市中央卸売市場西部市場・行事予定
(http://www.kccn.co.jp/event/)
で、共励会の予定を知ることができます。
言いたいのは、
「大きな共励会や有名ブランドの牛が入ると枝肉価格は上がるので、日々の枝肉価格の推移は、あんまり参考にならんぞ」ということです。
小さな共励会なら、普通のセリ市での相場と殆ど変わりはありません。
枝肉価格を見るなら、日々の変動ではなくせめて週や月間での変動を見るのがよろしいかと思います。
繁殖農家さんが実際に枝肉やセリの様子を目にするのは、JA主催の共励会や、全農や全畜連主催の大きな共励会が主で「日々行われている市場でのセリ」の詳しい情報は殆ど入ってこないものと思われます。
普通のセリ市で(今の相場なら)例えA5等級BMS12だろうが、キロ単価3000円を超すことなど無いです(キッパリ!)。
世間には「ご祝儀相場」ってのがありまして・・・
大きな共励会の時には、普段では見られない金額になる事がありますが。
このあたりの事を知らないから繁殖農家さんは、
「キロ7000円ですかぁ?」とか
「A5等級出せば2000円以上するんだから、頑張って下さいよ」
なんて平気で言うのだろうなぁ・・・と思った次第。

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サシが入れば良いってものじゃないよ・・・
サシが全てでは無いよ・・・
なんて言いながらA5等級 BMS12が出れば、やっぱり嬉しいのです。
格付けの最高ランクが出るってことは
「牛の持つ能力を十分に活かすことができた」
「それだけの技術を持っている」
という証しでもあります。
サシだけじゃないだろ、美味しさを求めなきゃ・・・
なんて言うと
「最高ランクを出す能力・技術が無いから、そんな事を言ってる」
とも、言われるわけです(笑)
実力が無いから、肥育技術が無いから勝手なこと言ってる・・・
そう言われないためにも、ある程度の成績は出さねばと思ってます。
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