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2012/08/02

米沢牛の定義が変わるらしい2

6月に「米沢牛の定義が変わるらしい」ってのを書きました。

主な変更点はふたつ

☆未経産のメスに限る

☆枝肉重量の上限を決める(500キロを目安に調整中)

というモノでした。

ネットでウロウロしていたら下の記事を見つけたので保存しておきます。

「米沢牛」定義見直し、広がる波紋(上) 当惑する一貫経営農家
山形新聞 2012年07月02日 11:12

http://yamagata-np.jp/news/201207/02/kj_2012070200030.php

 置賜8市町と農協などで構成する米沢牛銘柄推進協議会(会長・安部三十郎米沢市長)は、米沢牛の定義から「去勢牛」を外すことを決めた。食味が良いとされる雌のみに限定することで、ブランド力を維持しようという狙いだ。景気低迷、福島第1原発事故の風評被害を引きずる中、産地復権を懸けた大方針と言えるが、関係者には波紋が広がっている。改定実施は2年半後の2014年12月から。加えて枝肉の重量制限の検討も始まっている。当惑する生産者、危機感の強い業者の声を拾った。(米沢支社・後藤恵美)

 天井に取り付けられた大型の扇風機が、暑さに弱い牛のために涼しい風を送っている。飯豊町高峰の伊藤悟さん(62)の牛舎では約80頭の牛が餌をはんでいた。父親の代に牛の肥育を始め70年以上たつ。「米沢牛を雌だけに制限して本当にブランド力は高められるのか。去勢牛だけを求める消費者もいる。納得いかないことがたくさんある」。伊藤さんは本音を漏らした。

 2006年からは長男の儀宝(よしたか)さん(33)らが繁殖に乗り出し、繁殖と肥育の一貫経営を行っている。現在は、牛舎5棟で繁殖牛を含め約200頭を肥育。儀宝さんも「生まれた雄牛はどうするべきか」と当惑している。

 米沢牛の生産農家は、繁殖牛に人工授精し、生まれた子牛を10カ月ぐらいまで育て市場に出荷する繁殖農家、その子牛を買い大きく育てる肥育農家、それに両方を行う一貫経営農家に分かれる。このうち、定義改定で最も影響を受けるのが伊藤さんのような一貫経営農家だ。これまで米沢牛として出荷できていた去勢牛は、子牛のうちに市場に出すか、そのまま肥育して米沢牛ではない県産牛として販売せざるを得ず、米沢牛ブランドという付加価値を失う。

 現在、置賜家畜市場(川西町)の子牛市場に出される去勢牛の多くは、新潟県や茨城県などの肥育農家に購入されているという。伊藤さんは「去勢牛のせりの購入側に置賜の業者が加わらなくなることで、価格が下がることも考えられる」と懸念する。

 生産農家の置かれている環境は厳しさを増している。景気低迷と東日本大震災後の風評被害などで、枝肉価格は前年より2割程度安い水準のままだ。最高級の「A5」ランクですら5月の平均価格は1キロ当たり2241円。昨年5月より200円近く低く、3000円台の値が付いた07年前後と比べると25%ほど下がっている。

 生産者でつくるJA山形おきたま米沢牛振興部会によると、単純計算で子牛の購入価格は約40万円、せりに出すまでの餌代が30万円、その他の経費が10万円と、1頭当たり80万円経費がかかる。枝肉重量を400キロで考えると、1キロ単価が2000円をきると採算がとれない状態になる。

 JA山形おきたま畜産酪農課の集計では、11年度は米沢牛の認定頭数2211頭のうち去勢牛は7%ほどだった。振興部会の森谷英一部会長(58)は肥育農家だが「同じ生産者として『少数だから』では済まされない。一貫経営のつらさも分かる。だけど、米沢牛の今後のために理解してもらいたい」と話す。

 伊藤さんは「置賜の牛を置賜で育てる『地域内一貫』にこだわってきた。これからも、そうしていきたい。去勢を定義から外すより、生産技術の底上げが必要ではないか」とし、定義改定以上に品質向上の取り組みが重要と指摘した。

【米沢牛の定義】 (1)置賜3市5町に居住し米沢牛銘柄推進協議会が認定した飼育者が、登録された牛舎で18カ月以上飼育(2)黒毛和種の未経産雌牛か去勢牛(3)米沢牛枝肉市場か東京食肉中央卸売市場に上場、または米沢市食肉センターで処理され日本食肉格付協会の格付けを受けた枝肉(4)生後月齢32カ月以上で日本食肉格付協会で定める3等級以上の外観並びに肉質および脂質が優れている枝肉(5)県の放射性物質全頭検査で不検出のもの-の5点で、すべて満たさなければならない。

「米沢牛」定義見直し、広がる波紋(下) 危機感強める業者、行政
山形新聞 2012年07月02日 11:20

http://yamagata-np.jp/news/201207/02/kj_2012070200031.php

 「水分が多い」「味のばらつきがある」…。県置賜総合支庁の担当者は驚いた。去年9月から今年2月にかけて行った米沢牛の流通・消費状況に関する初の調査。米沢牛全体の7割を旅館の食事や贈答品として県外者が口にしている実態が浮かび上がり、同時に、食味への不満も突きつけられた。

 変わらず高評価の声もあった。しかし、調査では、食味評価のプロである仲卸業者からの厳しい評価が目立った。「ブランドの根幹である肉質が低下しているのかもしれない」。同支庁農業振興課は危機感を募らせた。

 定義からの去勢牛の除外は、去年6月の米沢牛銘柄推進協議会総会で仲卸業者側が提案した。肥育と繁殖を一貫して行う生産者サイドの反発は強かったが、食味の良さの指標である脂肪融点やオレイン酸含有量において、去勢牛より雌牛の方が優れているのは実証済み。生産者でつくるJA山形おきたま米沢牛振興部会が1年かけて協議し「見直しはやむなし」の結論に至った。

 そして今年の総会。「おいしさを一番に考えるなら去勢、雌だけで選別するのはナンセンス。神戸牛のように重量制限を設けるべきだ」。仲卸業者から新たな提案が突然出された。枝肉は一定重量を超えると、きめが粗くなり、食味も落ちると言われるからだ。景気低迷に風評被害…。出口の見えない危機感が引き金になったのか、認定基準を厳格化する流れは既定路線だった性別だけでなく、重量にも向かった。

 他産地の基準はどうか。米沢牛とともに「日本三大和牛」の神戸牛は重量制限(470キロ以下)を設け、松阪牛は雌だけを認定している。しかし、神戸肉流通推進協議会は「6年前に450キロ以下から基準を緩和した。大型でも食味が落ちないよう品種改良を重ねた結果だ」と説明。松阪牛協議会は「江戸時代に役牛として但馬の雌牛が松阪に入ってきたという歴史が元になっている」とし、ともに意図して認定を厳格化したものではないとする。

 去勢牛を外す改定定義の適用は2年半後の2014年12月。性別に加え、重量制限も導入した場合、米沢牛の認定基準は「三大和牛」の中で最も厳しいものになる。高品質を維持するための関係者の決断は奏功するのか。市場の混乱を防ぎ、「米沢牛」のブランド力を高めるには、生産者と業者、行政が一体になった取り組みが求められる。(米沢支社・後藤恵美)

前回載せた記事では分からなかった定義変更のいきさつ、流れ等も書かれていて興味深いです。仲卸業者からの厳しい評価、そして、それに伴う定義変更であったようです。

「おいしさを一番に考えるなら去勢、雌だけで選別するのはナンセンス。神戸牛のように重量制限を設けるべきだ」

「枝肉は一定重量を超えると、きめが粗くなり、食味も落ちると言われる」

ブランドの根幹である肉質の低下を見直すための定義変更だということが良くわかります。

この米沢牛に多くの子牛を提供している宮崎・・・・

米沢牛だけでなく、近江牛や松阪牛までが「重量制限」を打ち出したらどうなります?

大きくなる事が自慢だった宮崎の子牛は売れなくなってしまいますよ。

宮崎ではなく東北や北海道へ購買者は流れていくのではないでしょうか?

宮崎の事業団、経済連、そのあたりの対策は練ってるんでしょうか・・・・

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枝肉価格が低迷してるから枝重量で何とか売り上げを上げなきゃならんのはわかるけど、
大きくなれば良いって物でもない事はみんなわかってるはずなんですけどねぇ。

肥育農家が枝重量の期待できる大きな子牛を好んで買うのだから、繁殖農家は大きく育つ血統のストローを使う・・・・なんか負のスパイラルが出来ちゃってる気がします。

もうホント、サシ偏重主義も含めて、真剣に見直す時期が来ているような・・・・・。

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