牛内臓単価値下げ
先日もチラッと書きましたが、7月から牛の内臓単価が値下げされました。
そもそも牛を出荷した際の売上は次の3つを合わせたものです。
★枝肉代(枝肉重量×単価)
★内臓代(枝肉重量×単価、ただし上限がある)
★原皮代(市場によって異なる。神戸市場では1頭当たり去勢1100円、雌800円)
セリ市が開かれる市場に出荷した場合、この売り上げから
と場使用料、解体料、検査料、格付け手数料、けい留料、冷蔵庫保管料、冷蔵庫入出庫料、事故共済金が引かれたものが、実際の手取りとなります。
(他に出荷組合などに支払う手数料などもありますが、市場での必要経費は上のとおり)
地方の食肉処理場に出荷した場合の事はよく分かりませんが、日本食肉卸売協会の市場に出荷した時には、内臓は市場と取引のある内臓組合の業者が買い取ってくれます。
内臓は市場でセリにかけられることはありません。
業者が決まった単価で買い取ってくれるのです。
この単価が、レバーの生食禁止に伴い値下げになったわけです。
弊社が出荷している神戸市場では次のような変更がありました。
枝肉重量500kg未満・・・52円/kg(58円/kg)
枝肉重量500kg以上・・・26,000円/頭(29,000円/頭)
肝臓全廃棄・・・8,000円(10,000円)
肝臓1/2廃棄・・・4,000円(5,000円)※平成24年7月2日と畜分より
※カッコ内は旧価格
元々、神戸市場の内臓価格は他の市場に比べて高い設定になっているのですが・・・
やっぱりこの値下げは、生産者にとってはキツイです。
東京市場ではもっと厳しいです。
キロあたり40円から30円へ値下げ。
日本食肉卸売協会に属さない食肉処理場でも、これに倣う価格設定になるようです。
牛内臓単価25%下げ
農家支払いで東京食肉市場 生レバー禁止響く日本農業新聞 2012年7月10日付転載
東京都中央卸売市場食肉市場の卸売会社・東京食肉市場は、肥育農家に支払う牛の内臓の単価を9日の販売分から25%引き下げた。
牛のレバーを生食用として販売・提供するのを禁止したことで、レバーの需要が落ち込んだことを理由に挙げる。牛1頭当たりでは最大で5000円程度の下げとなる。
牛の内臓に付いて肥育農家に支払われる額は、枝肉の重さで決まる。昨年7月からこれまでの単価は、枝肉1キロ当たり40円だった。ただ上限が1頭510キロ(支払額2万400円)と決まっている。
今回の価格改定では1キロ30円になるため、支払額の上限は1万5300円で5100円下がる。代金は卸売会社が出荷者に支払う。
内臓価格の引き下げについて、宮城県の交雑種の出荷者は「枝肉単価の落ち込みや飼料価格の高騰の中で厳しい」と指摘。しかし「消費の環境を考えればしかたがないところもある」と話している。
平均枝重量510キロ以上の牛を仮に年間100頭出荷していた場合、
(510キロ以上では、内臓価格は現行20400円円から15300円に値下げ)
5100円×100頭=510000円 の収入が無くなる計算。
51万円って、子牛が1頭買えますよ
« 大雨で大変なことに・・・ | トップページ | 牛玉ステーキ丼もどきを作ってみた »
「枝肉の話」カテゴリの記事
- 第2回神戸市場雌和牛「極」枝肉共励会(2019.12.19)
- 肉の日なので先日の肉肉まつりの事など(2014.07.29)
- 食肉などの生食に関する調査会(第2回)(2014.03.29)
- 去年の後半はモモ肉が売れたらしい(2014.03.21)
- 牛肉の粗脂肪含有量を予測(2013.05.07)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
内臓単価は肉屋さんの独占市場。大貫枝肉、大貫内臓は幾ら歩留まりが悪いとは云え下げられた分の重量は誰か得るのか考える。
投稿: | 2012/11/23 14:35