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2012/05/06

口蹄疫・種牛農家が県提訴

口蹄疫、種牛農家が県提訴「殺処分の補償額低い」

 宮崎県内で2010年に広がった家畜伝染病「口蹄疫」で、飼育していた種牛6頭を殺処分された農家が、県の補償額は不当に低いとして県を相手取り、3億5000万円の支払いを求める訴訟を宮崎地裁に起こしたことがわかった。

 提訴したのは、同県高鍋町の薦田長久さん(73)で、3月27日付。訴状によると、薦田さんは当時、宮崎県内唯一の民間種牛農家だった。10年7月、口蹄疫の蔓延を受け、感染拡大を予防するため種牛6頭の殺処分に同意。その後、県から1頭当たり330万~851万円、計4013万円の補償金を提示された。

 薦田さんは「種牛の精液から将来生まれる子牛の金額なども考慮すべきだ」と主張。6頭の価値は最大で計7億9307万円(1頭当たり1985万~3億1055万円)と独自に算定し、当面の支払いとして3億5000万円を求めている。薦田さんは取材に対し、「こんな低い額が今後の基準になってはならない」と説明。県畜産・口蹄疫復興対策局は「補償額は適正に決めた」として全面的に争う考えを示している。

(2012年5月4日 読売新聞)


損失補てん求提訴 口蹄疫で宮崎の畜産農家

2012年5月3日 01:39 カテゴリー:九州 > 宮崎

 家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)で殺処分された種牛に対する補償金額が低すぎるとして、宮崎県高鍋町の畜産農家の男性(73)が宮崎県を相手取り3億5千万円の損失補てん金を求める訴訟を宮崎地裁に起こしたことが2日、分かった。提訴は3月27日付。

 訴状によると、口蹄疫が猛威を振るった2010年7月、男性の所有する種牛6頭が口蹄疫対策特別措置法に基づき予防的に殺処分された。県は補償金として4030万円を提示したが、男性が「評価が低すぎる」と受け取りを拒否。これに対し県は11年3月、債務を弁済したのと同じ法的効果のある弁済供託をした。

 男性は、種牛6頭で計7億9300万円が正当な評価額と主張。その根拠を「種牛1頭を育てるのには候補牛15頭が必要で、導入費用は10倍かかる」「精液ストローの単価も低すぎる」とし、訴訟では提示された補償金との差額の一部を請求した。

 男性は「20年以上育ててやっといい種牛ができた途端に殺処分された。この低い補償額が基準になってほしくない」と話した。県畜産課は「適正な評価だったことを裁判で主張する」と争う姿勢を示した。

=2012/05/03付 西日本新聞朝刊=


種雄牛殺処分「補償額低い」高鍋の農家、知事提訴

宮日 2011年4月28日付転載

 2010年の口蹄疫をめぐり、民間種雄牛を殺処分された高鍋町の男性が、牛の評価、補償額が不当に低いとして河野知事を相手取り、3億5千万円の損失補填金を求める訴えを宮崎地裁に起こしていたことが27日、分かった。提訴は3月27日付。

 書状などによると県は、男性が所有する種雄牛6頭を予防的に殺処分した際、県が選出した評価人が算出した評価額に基づき計約4031万円の補償を申し出たとされる。
ただ、男性は本来の牛6頭の評価額は計7億9308万円としている。

 男性は評価額の根拠として「優秀な種雄牛を育成するには15頭ほどの候補牛の導入が必要なため、導入費用が10倍以上になる」「県家畜改良事業団の種雄牛に比べ、差別的な扱いを受けていた」などとしており、不足分の補償の一部として求めた。

 男性は「これまでも不服を申し立ててきた。正当な評価をしてほしい」と訴えた。

 県畜産・口蹄疫復興対策局の永山英也局長は「裁判では、適正な評価をしたことをしっかりと主張する」と述べた。


※メモ

なんで県が相手だったのかが分からなかったのだが、「県の評価に対して」ということらしい。種雄牛に関しては血統や、ストローの販売実績から評価額が決まると農水省の文書にはある。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/pdf/brochure_0716.pdf


・県から1頭当たり330万~851万円、計4013万円の補償金を提示
・6頭の価値は最大で計7億9307万円(1頭当たり1985万~3億1055万円)と独自に算定

・「種牛の精液から将来生まれる子牛の金額なども考慮すべきだ」と主張

将来生まれる子牛の金額も考慮というなら、宮崎県有の種雄牛の金額は1頭で数十億円になったのではないだろうか?男性の「低い補償額が基準になってほしくない」という主張は理解できるが、宮崎県の一畜産農家としても、果たしてその価値が男性の申し立て通りなのかは分からない。

2010年9月7日付の宮崎日日新聞、6日付の朝日新聞の記事も合わせて載せておく。

種雄牛など殺処分県有牛 補償要望国が難色 (宮日 2010年9月7日付)  口蹄疫の感染疑いにより殺処分された50頭の種雄牛など県所有の家畜について、県側が要望する手当金(補償金)に対して国側が難色を示していることが6日分かった。殺処分した家畜への手当金は、家畜伝染病予防法で評価額の5分の4を国が支払うと定められている。県は公有、民有を差別せずに補償するよう要請を続けている。

 県所有の家畜について、県は7月下旬、農林水産省に補償金支払いが可能か文書で問い合わせたが、同省は「支払いはできない」と回答。同省によると、手当金は飼い主が伝染病の通報をためらわないための制度で、「家畜防疫の責任者の県が通報を怠ることはあり得ない」という。

 県は先月、国に対して行った緊急要望にも盛り込んで補償を求めている。県畜産課は「種雄牛は(冷凍精液)ストロー販売の逸失利益を考えると数億円規模の算定になる。県民の資金を投入して育成したことも考慮してほしい」としている。

 県所有の種雄牛は次代を担うための待機牛を含め、口蹄疫の発生前には55頭いた。国と県の協議を経て、5月14日に特例でエース級6頭が避難したが、直後に感染疑いを確認した1頭が処分された。残る49頭も県が救済を求めていたが、1頭に感染疑いが分かり、全頭処分した。

 ほかに県立農業大学校、高鍋農業高(いずれも高鍋町)で飼育していた実習用の牛、豚など約550頭も感染疑いで処分されている。


種牛殺処分の補償金、国が却下 農家、冷ややかな見方も
2010年9月6日 asahi.com

 口蹄疫(こうていえき)の感染拡大に伴い、県所有の種牛計50頭が殺処分されたことに絡み、県が国に対し、この50頭分の手当金(補償金)を求め、国から断られていたことが関係者の話で分かった。東国原英夫知事が「宝であり財産」とまで評した県所有種牛は当初、県の外郭団体の県家畜改良事業団(高鍋町)でまとめて管理しており、同事業団の施設内で感染疑い例が出るなどしたため、殺処分された。畜産農家などからは「そもそも自己責任だ」といった批判も出ている。

 県所有種牛は当初、55頭いた。同事業団で1カ所で飼っており、4月20日に都農町で口蹄疫の発生が確認されて以降、感染が拡大したため、県は国と協議。特に優秀な6頭を選び、5月13~14日に、家畜などの移動制限区域内から特例で約20キロ離れた西都市内の山中へと避難させた。

 しかし、避難させた6頭のうち1頭が遺伝子検査で2回陽性となり、殺処分に。同じ牛舎に入っていたほかの5頭も、本来は殺処分となるはずだったが、再び特例で経過観察とし、生き延びさせた。

 一方、「取り得る限りの最大の防御」(県幹部)を敷いていた同事業団でも症状がある種牛が見つかり、残った49頭もすべて殺処分となった。

 手当金は家畜伝染病予防法で定められている。農林水産省によると、手当金には、家畜の伝染病が発生した際、隠さずに届け出ることを奨励する意味合いがあるといい、同省の担当者は「県の場合は、手当金が出ないから届けないということは想定できない」などとし、交付は難しいとしている。

 県が手当金を求めたことについて、ある畜産農家は「県の種牛には税金が使われている。民間とは違うし、補償を求めるのはおかしいのでは。それに、これまで精液を売って稼いできたお金もある」と話している。生き残った5頭のうち、最も高齢の「福之国」(13歳)の1年間の精液販売収入は、推計で約1億5千万円にもなる。

 別の畜産関係者は「最後まで口蹄疫を出さなかった民間の農家もあるのに、県の施設で出したのは危機管理としてどうか。自己責任ではないか」と厳しく指摘する。

 県は現在、新しく種牛になる候補の選定を進めており、交配費用やエサ代などの関連経費について国に支援を求めている。また、口蹄疫からの復興のための基金を設けるにあたり、国に公共事業費100億円分を含む300億円の拠出も要望している。(石田一光)

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