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2012/01/21

口蹄疫・宮崎市で国際シンポ3(宮日記事)

※宮崎日日新聞では、LAMP(ランプ)法に関しても書かれている。

家畜伝染病 口蹄疫診断技術を報告      国際シンポで宮崎大  防疫の情報共有

宮日 2012年1月21日付

 宮崎大の産業動物防疫リサーチセンターは20日、宮崎市のシーガイアコンベンションセンターで家畜伝染病に関する国際シンポジウム「国境なき家畜伝染病防疫対策の取り組み―世界の安全・安心のために―」を開催した。

国内外の研究者ら約260人が出席し、うち15人が国際的な視点から防疫体制の在り方を発表。それぞれの研究成果と合わせて情報を共有した。同大学が口蹄疫への応用を進める診断技術「LAMP(ランプ)法」にも注目が集まった。

 同大学農学部の山崎渉准教授(獣医公衆衛生学)はLAMP法について、英国のパーブライト研究所で行った実証実験の結果を報告。同研究所に保存されていた牛、豚の286検体を用い、国際獣疫事務局(OIE)が推奨する遺伝子検査「PCR法」と比較した結果、ウイルスの検出感度が約100倍あり、検査時間や費用においても優れることを確認。「BSE(牛海綿状脳症)のように都道府県が口蹄疫の1次診断を行うことで、迅速な初動体制が確立できる」と述べた。

 海外の研究者では、元米国農務省研究員のテランス・ウィルソン氏が「国際的な家畜伝染病においては、各国がチームとして防疫体制を構築する必要がある」と、国家間の連携の必要性を指摘。

 ソウル大獣医学部のボンキュン・パーク教授(豚ウイスル学)は韓国で爆発的に感染が広がった口蹄疫について、高速道路を通行する車両や家畜ふん尿の不適正な処理が原因の一つだったと説明した。

 一般出席者を交えたディスカッションでは、会場から「口蹄疫を早期終息させるために、県と宮崎大が協力し、LAMP法を都道府県レベルで実施できるように(農林水産省へ)働き掛けてほしい」といった要望が出された。

 英国動物衛生研究所のドナルド・キング研究員も「LAMP法採用にあたり、技術的には大きな障壁はない」との見解を示した。

※関連
口蹄疫45分で診断 山崎・宮大准教授が開発
http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2011/04/45-84db.html


※シンポジウム登壇者発言一部(宮日より転載)

【北里大学獣医学部 吉川泰弘教授】

メディアや消費者は口蹄疫などの国際感染症について食の安全にのみ焦点を当てがち。食べて安全かだけでなく、(食糧危機が懸念されている現状では)食べ物を確保できるかという根本的な問題に目を向けるべきだ。


【元米国農務省研究員 テランス・ウィルソン氏】

口蹄疫など国際的な感染症対策としては、発生国それぞれに飢饉や戦争など社会的な課題、ワクチンの状況などが異なるので、研究者は国別の対応を考える必要がある。感染拡大時はワクチンの早急な接種などが必要な場合があるが、それを専門的知識のない政治家が決断するのは問題だ。


【ソウル大獣医学部 ボンキュン・パーク教授】

韓国での発生では高速道路網や、家畜ふん尿の不適正な処理によって感染が広がったケースがあった。朝鮮半島でウイルスを制御するには、観光客や外国人労働者が大きな問題。現在、外国からの観光客が検疫申告しなければ500万ウォン(約35万円)の罰金を課す措置が取られている。


【英国動物衛生研究所 ドナルド・キング研究員】

新たな口蹄疫の診断ツールとしては、農場に行った人が迅速に診断でき、防疫方針の意思決定につながるものが求められる。現在、少量の検体があれば、世界中の7タイプについて10分以内に診断できるツールも開発された。専門的な知識がなくても使える遺伝子検査(PCR検査)機器なども開発されている。


【北海道大人獣共通感染症リサーチセンター 喜田宏センター長(同大学大学院獣医学研究科教授)】

2010~11年に国内で発生した高病原性鳥インフルエンザの遺伝子を調べた結果、ウイルスは少なくとも三つのルートで侵入したことがわかった。世界的な感染の広がりが1996年以降収まらない理由の一つとして、中国、ベトナムなどによるワクチンの乱用がある。ワクチンは症状を抑えるが、感染自体を防ぐことができない。感染した家禽の淘汰と並行して利用すべきだ。


【FAO(国連食糧農業機関)ベトナム 乾健二郎FAOラボラトリーエキスパート】

新興ウイルスが発生する大きな原因に、家畜生産が小規模から大規模に変わったことが挙げられる。90年代に経済が著しく発展した中国が、アヒルの飼育頭数を急激に伸ばし始めたことが、高病原性鳥インフルエンザ発生につながったという見方もある。東南アジアでは依然として養豚、養鶏の大規模化が推奨されており、新たなウイルス発生に備える必要がある。 

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