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2011/11/18

宮崎県・家畜改良協会外にも県有種雄牛精液ストロー配布へ

県・種牛の冷凍精液利用門戸開放へ 2011年11月14日 UMK

宮崎県は、家畜改良協会に所属する家畜人工授精師に限定してきた種牛の冷凍精液の配布を来年度以降、協会以外の受精師にも広げることにしました。

これは、家畜改良協会に所属しない人工授精師にも種牛の冷凍精液の配布を求める声があがり、独占禁止法に抵触する可能性も指摘されていたためです。

今後は、協会員以外で人工授精所を開設している人や自家授精を行う肉用牛経営者にも配布します。

一方、県では、種牛作りについて、新たに配布を受ける人にも試験交配などの協力を求めることにしています。

県有種雄牛精液ストロー 家畜改良協会外も配布        独禁法抵触恐れ県変更  流通管理強化へ

宮崎日日新聞 2011年11月15日付転載(改行等加えた)

 県は14日、県内の八つの家畜改良協会に所属する家畜人工授精師に限定配布していた県有種雄牛の冷凍精液ストローを、会員以外にも配布すると発表した。

 約40年間、県産和牛ブランド確立のために配布を制限していたが、独禁法に触れる可能性があるとの公正取引委員会の注意を受けて、方針を変更。今後、具体的な配布基準を作成し、ストローの配布開始時期は2012年度になるという。同時にストロー・精液証明書の管理体制を強化する。

 県畜産・口蹄疫復興対策局によると、ストロー配布に関連し、09年に公取委から県内のある地域の人工授精師協会の入会制限について「独禁法に抵触する可能性がある」と口頭で注意を受けた。

 家畜改良協会の会員は家畜人工授精師協会員とほぼ重なるため、同局は家畜改良協会員に加え、新たに家畜人工授精所を開いている授精師や授精師免許を持っている肉用牛経営者にもストローを配布する方針に変更。

 新たな対象者には、本県産牛のブランド維持と県家畜改良事業団(高鍋町)の試験交配に協力を要請、配布するストローの種類も検討する。

 県有種雄牛ストローは法律的に県外流出は防げられないが、業界内で県内使用を申し合わせてきた。新方針でも、県内での使用を最優先し、他の授精師に譲渡しないよう求める方針という。
来年度は年間約13万本を配る予定で、授精師の利用状況や繁殖牛飼養頭数などを勘案して配布する。

 同局によると、家畜改良協会に所属する人工授精師は約130人で、新たな対象者は約270人。県内に県有種雄牛ストローがとどまることで、高い子牛価格を維持できた背景もある。
配布対象の拡大が県外流出につながる懸念も指摘されるが、同局の永山英也局長は「管理態勢をより一層、強化する。県産牛の精液ストローの本数と県内の使用状況を勘案すると県外に出す余裕はない」としている。

 県外流出をできるだけ防ぎ、これまでの精液証明書の偽造事件なども踏まえ、県は「県有種雄牛凍結精液利用報告システム」を構築。
精液ストローの製造、配布団体、人工授精師間での需要情報を常時通信・一元化するシステム
精液ストローを配布された家畜改良協会は利用・在庫状況などを入力、人工授精師はスマートフォン(多機能携帯電話)を貸与され、授精したときや損傷した場合に情報を入力する。一部の地域で年度内の稼働を予定している。

 県は1973(昭和48)年の県家畜改良事業団の創設に合わせ、8地域の家畜改良協会でばらばらだった種雄牛づくりを一本化。
その後、全県挙げた産地づくりを目指し、協会員に配布を限定していた。


県種雄牛精液配布拡大 「県外流出防いで」
     「当然のこと」歓迎の声も

宮崎日日新聞 2011年11月15日付転載(改行等加えた)

 「経費が減る」「県外流出を防ぐため管理態勢の強化を」―。これまで家畜改良協会員のみに限っていた県有種雄牛の冷凍精液ストロー配布先。
県が協会員以外にも認める方針を打ち出した14日、民間種雄牛業者や協会に所属しない授精師などからは歓迎の声が聞かれた一方、配布先を広げることで管理が行き届かなくなる不安から「県外流出をさせないために管理をしっかりしてほしい」との意見も聞かれた。

 家畜改良協会に入るための株券を持たず県が持つ種雄牛の精液を一切扱うことができなかったという県内の30代男性人工授精師も「新規参入を阻まれてきたが、これからは技術力がある人だけが生き残るような競争が生まれる」と歓迎。

 家畜人工授精師の資格を持ちながら協会に入っていないため別の授精師に依頼していたという都城市山田町の繁殖農家乙守孝志さん(33)は「自家受精できれば年間200万円ほどの技術費が浮く」とメリットを指摘する。

 「当然のことを県はやっていなかった」としたのは、県内唯一の民間種雄牛業者で公正取引委員会に県家畜改良事業団の調査を訴えるなどしてきた高鍋町南高鍋の薦田長久さん(73)。昨年の口蹄疫で殺処分された県有種雄牛「忠富士」の父が鹿児島県の種雄牛「平茂勝」だったことを挙げ「種雄牛は広く使って改良に貢献するのが当たり前」と話す。

 配布対象が広がることで、原則的に県内農家のみ利用できた貴重な精液が県外に流出する懸念も根強い。家畜改良協会に所属する授精師歴50年の三股町樺山、下西幸和さん(67)は「もし流出すれば全国に宮崎の種が出回ることになり、県外からの和牛購買者が減って農家が困る。(精液の配布先拡大は)これまでつくり上げたブランドにとってマイナスだと思う」と話す。

 宮崎市清武町の繁殖農家落合博美さん(41)は、県が強化する方針を打ち出している精液の管理態勢について「現場を知る農家の代表も参加したより万全なものにするべきだ」と提言する。また「精液が流出して県外で宮崎牛がつくられるのは駄目だが、口蹄疫による県有種雄牛の減少や環太平洋連携協定(TPP)を考えると、良い系統をつくるためには県外と精液を融通し合う事も必要ではないか」と先を見据えた。


宮崎県 牛精液の供給広く 来年度 家畜改良協会外も

日本農業新聞2011年11月17日付転載(改行等加えた)

 宮崎県は14日、高鍋町の県家畜改良事業団の県有種雄牛凍結精液を、2012年度から8地域家畜改良協会所属の人工授精師以外にも配布することを発表した。

 同協会所属の人工授精師は約130人だが、新措置で人工授精師免許を持って自家受精を行う肉用牛経営者ら約270人にも新たに供給される。

 昨年の口蹄疫発生で種雄牛も殺処分され、現在は県有種雄牛が5頭、待機牛も14頭しかいないことなどから、供給の門戸を開くことで新規種雄牛の能力を検定するための試験交配などで協力してもらうことも考えている。

 今回の措置は、現在の運用が公正取引委員会から独占禁止法違反の恐れを指摘されたため。

 県が1973年に同事業団を発足させたのは、これまでばらばらだった種雄牛づくりを集中的に育成、管理することで「宮崎牛」のブランド確立を目指すためだった。血統を重視し、地域家畜改良協会所属の人工授精師たちだけに限定供給されてきた。
所属以外の人工授精師にはその門戸は閉ざされていたが、2009年に公取委がこのような措置が独禁法違反の恐れがあると口頭で県に注意した。

 県家畜・口蹄疫復興対策局では年間13万本の凍結精液ストローの12年度配分について、人工授精師の利用状況や繁殖雌牛の頭数などを見極めながら対応していく。

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コメント

県は、某グループの主張に屈しましたね。
よく県外精液を使用される方がおっしゃるセリフ。
「県内・県外、どこの精液を使おうが農家の自由である。」
私は思う「ごもっとも。」
個人的に、実はこの問題は、的が外れていると思っています。
問題なのは、「団体戦をするのか?個人戦をするのか?」です。
団体戦は、県内生産者全体の母牛の中から、ハイレベルな県指定牛を選抜し、
種牛を造成し、皆が少しずつ犠牲を払い試験交配を進め、種牛を育てていき、統一した系統で、
定時定量高品質な子牛市場を作っていくこと。
個人戦は、個人の改良方針を打ち出し、種牛を選び、個人的に思う高品質な牛を少量出すこと。
どちらが、より購買者を引き付けるか、それは繁殖農家さんたちが選んでいけばいいと思います。
薩摩の相場が高いのは、優秀な徳重さんの血統で、ある程度、統一性があるからではないでしょうか。
種牛を何でもかんでも使い始めたら、平均のものしか作れなくなってきますよ。
もっと、自分達の持つ、組織された巨大な母牛頭数の育種組合に自信を持ってもいいと思います。
あとは、事業団、県、登録協会、畜連の選牛の力次第ですね。
(しれっと見ていると思いますので、プレッシャーかけときます。)

なんといいますか(-_-;)

宮崎ラブな私としては、もっと自分の県の種牛に自信をもっていいと思うんですよ

確かに、魅力的な血統構成をもつ種牛が余所には氾濫してます

一時期、凄く食指を伸ばしかけたこともあります

でも、いろいろありながら牛に10年ほど接してきて思うのは

宮崎凄い!!

登録検査にしても、枝の格付けにしても、かなり厳しいと思います

色々言われるけど、福之国だって、勝平正だって、結構凄い成績

安福久や、勝忠平、百合茂にも引けを取らんのです

確かに福之国も勝平正も県外の種牛が父親ですが

改良方針からすれば、かなり的を得ていたものだと考えます

N君がいつも言う事ですが、1万等程の母牛頭数の薩摩でできるのならば、宮崎でできない事はないと思うのですよ

もっと自信をもって地元の牛を使って欲しい

切に願います

それに最近、西諸県には良い風が吹いてきているので、期待しています

忠富士はもう買わなくてよかやろ、安重守やろ(もといたくさんの待機牛達)

っていう時代が近い将来くるはずです

ヤッバのNさん
団体戦、個人戦のたとえはわかりやすいですね。
市場としての統一性みたいなものも必要ですし
個人戦をやりたい気持ちもわかります。
うまくバランスをとってやっていけるといいのでしょうが
トップのリーダーシップに期待しましょう。

しんさん

おっしゃるとおり宮崎の牛は決して他産地の牛に劣るものではありません。
自信を持って宮崎の種牛を使ってほしいというのは私も思います。

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