口蹄疫・人工授精自粛の影響2
子牛出荷12月から激減 県、対策を検討へ 価格低下を心配 授精自粛影響 県、対策検討へ宮崎日日新聞 2011年10月27日 付転載(改行等加えた)
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=41633&catid=74&blogid=13&catid=74&blogid=13
口蹄疫の感染拡大防止のため昨年4月末から3カ月にわたって県内全域で和牛の人工授精が自粛された影響で、今年12月から県内市場の競り市に出荷される子牛が激減する見通しだ。
年明けも“品薄状態”が続き、購買者の減少に伴う価格低下などが懸念される。
県は農家に出荷の前倒しを促し、市場の混乱を避けたい考えだが、前例のない事態に関係者は不安を募らせている。
通常、母牛は種付けから約10カ月で子牛を出産し、繁殖農家が10カ月ほど育てて出荷する。ただ、本県では県が感染拡大を防ぐため、昨年4月23日から人工授精師が農場を訪れて行う種付けの自粛を要請。同7月27日の要請解除までほとんど種付けが行われなかったため、今年12月から子牛の出荷が激減する。
県内最大の畜産地帯にある都城地域家畜市場(都城市)で26日に始まった競り市には3日間で1640頭が出場を予定する。しかし、12月の競り市の出場予定は約400頭にとどまる見込みだ。
同市早鈴町の和牛繁殖農家吉川隆司さん(64)は「12月は出荷できる牛がいない。収入がないのは痛手。1月の競り市には出荷を前倒しするが、値段もどうなるか」と困惑。
同市一万城町の和牛肥育農家松山義寛さん(65)は「出荷頭数が少なければ、県外購買者は減るかもしれない」と客離れを心配する。
肉用子牛生産者補給金制度への登録頭数(県畜産協会まとめ)を基に出荷適期を生後10か月として計算すると、出荷適期の子牛は県内全体で12月が約1900頭、来年1月が約400頭、同2月が約700頭。通常の出荷頭数(月5千~6千頭)を大幅に下回る数だ。
逆に、自粛解除後の種付けから生まれたとみられる子牛は3月が約1万頭、4月は約7700頭に上る見通しとなっており、出荷段階での供給過多が懸念される。
同協会価格対策部の図師理部長は「出荷が少ない時期は購買者が減り、競りが盛り上がらず取引価格が上がらないのでは」と指摘。「出荷が多い時期は低迷するだろう」と声を落とす。
県は、生育の早い子牛を前倒しして出荷させるなどの調整を市場やJAなどを通じて農家に要請。
農家への支援策として①販売価格の平均が一定の基準を下回った場合の助成
②県外購買者に対する子牛の輸送費の一部助成
③子牛出荷数の”谷"の時期に雌牛の導入費用を助成
④子牛の出荷が途絶える時期に農家の経営資金を低利子で融資などを検討している。
人工授精自粛に伴う問題点については、昨日のNHKローカルニュースの中でも特集として取り上げていた。子牛が出荷できなければ、その時期は繁殖農家の収入は途絶える。子牛の導入が出来なければ、約2年後に肥育農家は出荷が出来ず、収入が途絶える。
記事の中で「子牛の出荷頭数の減少=購買者離れによる価格の低迷」が書かれているが、果たしてそうだろうか?
肥育農家は「牛舎が空く=約2年後の収入がない」状況は何としても避けたいので、無理をしてでも子牛を購入するのではないかと思うのだが。
そうなれば、価格低迷どころか、価格高騰に繋がるのでは?
また、生育の良い子牛の前倒し出荷も考えられているようだが、肥育農家としては月齢の足らない子牛の購入は不安も多く残る。
先日の宮日の記事によれば、子牛の出産ペースが元に戻るのに3年~5年はかかるという。
口蹄疫の影響は、その時だけに留まらない。
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