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2011/09/21

口蹄疫・宮崎日日新聞「新生の分岐点」3 埋却地確保

※宮崎日日新聞が口蹄疫終息1年の宮崎の畜産会の現状を連載したものを転載
 (改行等、加えてある)


新生の分岐点3 埋却地確保
住民同意取得に課題

(2011年9月1日付)

 
 先の口蹄疫で感染拡大を招いた要因の一つに、殺処分した家畜の埋却地確保の難航が挙げられる。
終息後、国や県、市町村は再発に備え、埋却地確保への取り組みを進める。

 国は新たな飼養衛生管理基準に「家畜所有者が埋却地を用意する」ことを盛り込む方針。県畜産課は「(新基準の)適用が始まる10月1日までに確保率100%を目指す」と意気込む。

 しかし、現時点では「経営再開を優先し、埋却地に手が回らない農家もいる」と都農町担当者。県内最大の畜産地帯・都城市は農家を巡回し、埋却地確保を指導するなどしている。

       □  □  □


 一方、農家は埋却地確保の難しさを口にする。

 飼料価格の上昇や牛の枝肉価格の急落など、畜産を取り巻く環境は依然として厳しい。
県内の大規模肥育農家など32戸(31日現在)が所属する県乳用牛肥育事業農業協同組合の岩城和宏参事は「埋却地用の経費を新たに工面することは難しい」と語る。

 埋却地を用意しても、昨年のように地下水や地中の岩盤の影響で掘削できなかったり、環境汚染を気にする周辺住民の同意が得られなかったりする可能性がある。
 
 県は、こうした課題の解決を埋却地確保の条件に含めておらず、岩城参事は「土地を確保しても、埋却地として使えるか不安」と訴える。

 川南の農家も「埋却地を事前に確保できたとしても、発生時に周辺住民の同意を得られる保証はない。昨年、あれだけ苦労したのだから同意に関しては行政が調整役を担うなり、強制的に埋却できる仕組みを作るなりしてほしい」と切実だ。

 県は公有地を共同埋却地としてリストアップしているが「農家間に不公平感が生まれてはいけないし、家畜を移動させないのが防疫上の基本。共同埋却地確保は最終手段で、あくまでも埋却地確保は農家の責任」と強調。昨年の口蹄疫で生じた農家、行政間の溝は埋まらないままだ。

       □  □  □


 一方、使用済み埋却地周辺の環境問題は、長期にわたる丁寧な管理が求められそうだ。

 県によると終息の前後、東児湯地域の井戸と湧水で埋却が原因と考えられる悪臭が2件発生。
原因となる有機物を水道水の基準値の12~13倍検出した。一度は収まったが、大雨に見舞われた5月以降、この2件を含む3件の悪臭問題が起きた。

 英国で2001年に発生した口蹄疫に詳しい宮崎大農学部の西脇亜也教授(生態学)は「英国では環境への影響が20年以上続くといわれ、池や川に進出した汚泥などが多くの魚類を死亡させた例もあったという。宮崎の埋却方法は英国と似ており、同様の問題が生じる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 県と宮崎市によると、県内の井戸は把握しているだけで約3万本。うち約7500本(調査中の同市を除く)が飲料用として利用されている。

西脇教授は「汚染された水を飲むと健康被害につながるため、埋却地周辺では頻繁に水質を調査する必要がある」提言。加えて、英国で一部実施したレンダリング(化成処理)など環境負荷が少ない処理方法の検討を促す。


※埋却地確保の問題に関しては次のような報道もある。


口蹄疫問題 「牛農家の7割が埋却地確保」

9月7日 17時05分 MRT

 改正家畜伝染病予防法で畜産農家に義務付けられた埋却地の確保について、県は、7月末の時点で、牛を飼育している7割の農家が、確保できたとの調査結果を明らかにしました。

(県農政水産部・岡村巌部長)「7月末時点で埋却地を確保していると答えた農家は約7割でした」これは7日から始まった県議会の代表質問で、県側が明らかにしたものです。

それによりますと、県が、県内7000戸の肉用牛農家と酪農家を対象に聞き取り調査を行ったところ、約7割の農家が埋却地を確保していると答えたということです。家畜伝染病予防法の改正に伴い来月1日から施行される新たな飼養衛生管理基準では、口蹄疫が発生した場合、農家が殺処分した家畜の埋却地を確保することが義務付けられています。

(河野知事)「農家の方、市町村、関係団体と一緒になりながら、しっかりと埋却地の確保に努めているところであります」

 県では、市町村と協力しながら、10月末をめどにすべての農家が埋却地を確保できるよう努めたいとしています。 


埋却地 住民同意が課題

日本農業新聞 2011年9月14日付転載

 昨年、宮崎県で口蹄疫の感染が広がった一因になったのは、埋却地の確保が進まず、疑似患畜の処分が遅れたことだった。

 こうしたことを踏まえ、各県とも全農家を対象に聞き取りや、アンケートで埋却地の確保状況を調査している。新しい飼養衛生管理基準では埋却地の確保が求められることから、既に全戸の埋却候補地を選定した県もある。

 ただ、そうした県でも、ほとんどの場合、試掘や現地確認まではできていない状況だ。実際に口蹄疫などの発生時には、地域住民の同意が得られるかなど、課題もありそうだ。

 
※関連

新生の分岐点1 飼育密度
 http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2011/09/post-8c33.html

新生の分岐点2  防疫意識
 http://koji.air-nifty.com/cozyroom/2011/09/post-c848.html

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