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2011/09/19

口蹄疫・終息から1年 宮崎日日新聞解説(2011年8月27日)

 増頭追求転換図れ  「安心・安全」で付加価値(転載)

 口蹄疫の終息から1年がたち、家畜伝染病予防法の改正や県防疫マニュアルの改訂など再発への備えは徐々に進んでいる。一方で、県や農家が目指す「畜産の新生」に目を移すと、感染まん延を招いた家畜密集の解消など畜産の構造転換は五体的な方向性が見えていない。

 児湯地域に限らず、農場の密集化と大規模化は国際競争などを背景に「効率」や「増頭」を追求してきた構造的な問題だ。児湯地域の農業は畜産への依存度が高く、家畜と農場の密集がより顕著となっていた。

 その解消に向けた、畜産から畑作など耕種への転換は進んでいない。26日の会見で河野知事が「陸上選手が水泳選手になるようなもの」と表現したように、畜産で培った経験や技術は耕種では通用しない。口蹄疫で家畜を失った農家が、耕種転換に意欲を持てるような技術指導や農地の確保、資金調達などに踏み込んだ支援策が求められる。

 児湯地域よりも畜産の集積度で懸念されるのは、都城周辺だ。県が3月に行った机上演習ではこの地域で口蹄疫が発生すれば、殺処分対象が39万頭に及び、連日500人の獣医師が必要となる実現困難な試算も出た。防疫の観点からは決して好ましい状態ではない。

 県はこれまでに農家や関係団体、防疫の専門家らを集めた交換会を2回開き、10月までに家畜1頭当たりの飼育面積などを示したガイドラインを作成する。しかし、強制力はなく、農家がガイドラインに準じるとは考えにくい。飼料価格の上昇や肉価の低迷によって、頭数の削減は売り上げの減少に直結するという考えが根強いからだ。

 従来の効率や増頭の追求から「安全」「衛生」に軸足を移す環境整備が必要だ。

 安心・安全に対する要求は年々高まっているが、小売りの現場で消費者に示される情報は産地や枝肉等級に限られる。そうしたニーズに合致させる認証制度などを設け、増益につなげたい。

 例えば、近年は「農場HACCP(ハサップ)」という食品加工業などで取り入れられている厳格な衛生管理手法を導入する農場も出てきた。こうした安全・衛生に要するコストを農家が価格に上乗せできる仕組みを作ることが求められる。

 消費者のニーズは多様化している。ストレスの少ない環境で飼育された家畜に付加価値を認める「アニマルウェルフェア(動物福祉)」の考え方が欧米で盛んだが、いずれ国内でも普及するだろう。そうした潮流の先取り、新たな価値観の提示も必要ではないだろうか。

 「新生」とは生やさしいものではない。既成の概念や仕組みの否定であり、極めて創造的な挑戦でもある。県や関係団体、農家にはそれを成し遂げる気概と誇りを期待したい。
(報道部・野辺忠幸)

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