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2011/08/03

安愚楽牧場倒産?2

ついにNHKでも。
本日(8月2日)の日経新聞には記事は無し。
日本農業新聞は、昨日の共同通信発の内容とほぼ同じ。

「安愚楽牧場」経営が悪化 8月2日 17時56分 NHK


「和牛オーナー制度」と呼ばれる投資を募り、全国に会員を持つ、栃木県の畜産会社「安愚楽牧場」が、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響などによる牛肉価格の下落で経営状況が悪化し、取引先に支払いを停止していることが分かりました。

また、会員からは「配当金が支払われない」という報告が寄せられていることから、消費者庁や栃木県では情報収集を進めています。

栃木県那須塩原市に本社がある「安愚楽牧場」は、オーナーを募集して繁殖用の牛を飼育し、生まれた子牛を買い取ることで配当を支払う「和牛オーナー制度」を運営し、全国各地で黒毛和牛の飼育を行っています。

会社の弁護士が債権者に出した通知書によりますと、家畜の伝染病、口てい疫や、原発事故による牛肉価格の下落などの影響で経営状況が悪化し、現在、取引先への代金の支払いを停止しているということです。また、通知書では、1か月以内に会社の資産と負債の内容を調査したうえで、今後の方針を決定するとしています。

民間の信用調査会社「東京商工リサーチ」によりますと、安愚楽牧場が運営している「和牛オーナー制度」の会員は全国で3万人に上るということです。

栃木県消費生活センターには、会員から「配当金が支払われない」とか「会社と連絡が取れない」という相談が寄せられているということで、消費者庁や栃木県では情報収集を進めています。

安愚楽牧場:経営悪化 

 和牛オーナー商法、出資者ら「元金だけは返して」 /栃木

 ◇那須塩原本社に

 会員3万人の「和牛オーナー」制度で知られる安愚楽(あぐら)牧場(那須塩原市、三ケ尻久美子代表)の経営悪化が報じられたことなどを受け、同市埼玉の本社には出資者らが説明や出資金の返還を求めて駆けつけた。

 代理人弁護士の通知書や出資者らによると、先月分の配当金などがまだ支払われていないという。

 1日には本社の電話も通じない状況。門扉には「社員以外立入禁止」と書かれた張り紙が張られていた。警備員から通知書を手渡された出資者らが、不満を口にしながらもなすすべなく引きあげる姿も見られた。

 通知書には代理人弁護士名で経営悪化が報告され「負債状況を正確に把握し、今後の方針を早々に決定する必要から、お支払いは目下停止させていただいている」と書かれている。

 1億円を投資しているという群馬県内の主婦(47)は「先月の配当金が入らず電話も通じないので確認しに来ました」と夫と車でやってきたと話す。通知書を見て「どうなるのか」と不安を隠し切れない表情だった。

 また、2500万円を出資しているという埼玉県内の主婦(61)は「元金だけは返してもらいたい」と怒りをあらわにしていた。

 栃木県にも出資者から数件の問い合わせが寄せられたという。

 同牧場は1981年設立。「繁殖牛のオーナー」として会員から出資を募り、生まれた子牛の売却益を配当金とする方式で資金調達してきた。

 同社のホームページによると、「売買・飼養委託契約金」として100万円(4年契約)を同社に支払うと、年1回、3万8000円の配当が得られるとしている。金融商品としては年利3・8%の高利回りで人気となっていた。同社はその商法の元祖といわれている。

 しかし、同種のビジネスを手がけた後続業者の中には、実際には牛を飼育しないで資金集めだけをする詐欺や、自転車操業による破たんなどが、90年代に相次いで発生、社会問題化した。同社は「最後の砦(とりで)」と言われていた。

 同社が出資者に示した通知書によると、問い合わせ先は電話050・5505・3720。受付時間は月~金曜日の午前9~午後5時。【柴田光二、泉谷由梨子】

毎日新聞 2011年8月2日 地方版


老後の生活費を…途方に暮れる安愚楽牧場会員

 安愚楽牧場東京支店(東京都中央区)には2日午前、取引先への代金支払い停止を知った会員ら約20人が詰めかけたが、この日は休業中。


 群馬県から来たという50歳代の主婦は「老後の生活資金をためるため700万円を預けていた。7月中旬以降も新規募集を呼びかけるお知らせが届き、『経営は大丈夫』と説明を受けていたので信用していた」と途方に暮れた様子だった。

 「臨時休業」の紙が貼られた栃木県那須塩原市の本社にも、2日朝からオーナーや取引業者など十数人が詰めかけた。同社執行役員は読売新聞の取材に応じ、「一部の店を除き、通常通り営業している。会社として状況を取りまとめて近く発表したい。それまで待ってほしい」と話した。

(2011年8月2日14時46分 読売新聞)


安愚楽牧場が経営悪化 牛肉価格急落で
2011年08月02日 宮日

 東京商工リサーチ宇都宮支店は1日、本県を含め全国で黒毛和牛生産を展開する畜産会社「安愚楽牧場」(栃木県那須町、三ケ尻久美子社長)が資金繰りの悪化で、牛の餌など資材の購入代金が支払えない状況に陥ったと明らかにした。

 東京電力福島第1原発事故の影響で、牛肉の価格が急落したことなどが原因としている。安愚楽牧場は本県で昨年発生した口蹄疫で「通報遅れ」を指摘されていた。

 同支店によると、負債総額は3月末時点で約619億円で、安愚楽牧場は担当弁護士に資産や負債の調査を依頼。9月初旬に調査を終え、今後の方針を決める見込み。

 取材に対し「弁護士にすべて任せており、詳細は話せない」としている。

 安愚楽牧場は1979(昭和54年)に那須町で牧場経営を開始。繁殖牛のオーナーを募集、生まれた子牛を買い取る「和牛オーナー制度」で資金調達する独自ビジネスを確立した。

 現在、直営を含む約380カ所の農場で黒毛和牛を飼育し、国内では最大規模。和牛オーナーの投資者は約3万人いるとされる。

 県内では児湯地域を中心に15カ所の直営農場を展開。東京商工リサーチ宮崎支店によると、口蹄疫の影響で約1万5千頭が殺処分された。直営農場のほか、安愚楽牧場が牛を預けている預託農場もあるが数は明らかになっていないという。

 県口蹄疫対策検証委員会は今年1月にまとめた最終報告書の中で、川南町の直営農場(感染疑い7例目)で牛に口蹄疫の典型的な症状を確認しながら家畜保健衛生所へ通報しなかったことを指摘。県は3月、「家畜伝染病予防法違反の疑いがある」と厳重注意を行った。

 また、安愚楽牧場は小林市のレジャー施設「コスモス牧場」を運営する第三セクター・北きりしまリゾート牧場に市やJAこばやしなどと共に出資している。市産業振興課は「正式な報告はまだ受けていないため、今の段階では何も言えない。事態の推移を見守りたい」としている。

 

「和牛オーナー」安愚楽牧場が経営悪化 もともとビジネスモデルに無理あった? 2011/8/ 2 18:52 J-CASTニュース

「和牛オーナー制度」で知られる安愚楽牧場(本社:栃木県)が経営悪化を理由に、全国3万人のオーナーや取引先への支払いを休止している。福島第一原発事故の影響で出荷規制があったり、牛肉価格が下落したことが原因だと牧場では説明している。

2011年8月2日に細野豪志・原発担当兼消費者担当相が同牧場も賠償の対象となる可能性を示唆したが、「和牛オーナー制度」問題に長く取り組んできた紀藤正樹弁護士は、初めからこのビジネスモデルには無理があったのではないかと推測する。

「和牛預託商法」、同業者は過去に次々と経営破綻 

安愚楽牧場は1981年に設立。現在は全国40ヵ所に直営牧場と338ヵ所の委託牧場で14万頭以上の黒毛和牛を飼育している。

ここの「オーナー制度」は和牛を出産・飼育するための出資を募り、生まれた子牛を買い取っている。子牛の買い取り価格から諸費用を差し引いたものがオーナーに「金利」として渡される。その「金利」は年に5%から7%ほどで銀行預金に比べれば高利回りだと人気になった。

同牧場のような「和牛預託商法」に参入する業者が相次いだが、1990年後半にその殆どが採算が取れず経営破綻。中には資金を集めるだけで配当をせず、出資法違反や詐欺容疑で摘発される業者が出るなど大問題になった。

紀藤弁護士によれば、「和牛預託商法」を行っていた殆どの業者が破綻したのは、このビジネスモデルが最初から無理があったため。一般的なファンドの場合、投資先を複数にすることでリスク分散させながら利益を追求するが、「和牛預託商法」の場合は投資が牛だけ。伝染病が蔓延したり、牛肉価格が下落したりすると一気に立ち行かなくなる。そうした中でなぜ、安愚楽牧場だけが生き残りオーナー達に配当金が支払われていたのか。


オーナー救済のための弁護団を立ち上げへ

「経営悪化の原因は原発事故でのセシウム問題と説明していますが、それは経営悪化を発表するきっかけにすぎず、実はかなり前から悪かったと考えられるんです」

紀藤弁護士はこう見る。2001年には国内でBSEが発症したほか、続いて伝染病の口蹄疫、最近では生食による死亡事故、そして原発事故と続いた。しかも、ここ10年間牛肉価格の下落が続いていて、市場も縮小している。

東京商工リサーチの発表によれば安愚楽牧場の11年3月時点の負債額は619億円。10年度の売上げは1027億円だった。

紀藤弁護士はオーナー達に支払われていた配当金の出所について、仮に利益から分配されたものではなく、新規オーナーからの出資金を回したものだとすれば大問題だ、とも指摘し、
「早期に弁護団を立ち上げオーナー達を救済するために動き出さなければならない」
と話している。

★メモ

※今のところわかっている事と わからない事

・3月時点の負債額 619億8705万円

・平成23年3月期の売上 1027億2394万円


3月時点ということは、ユッケ事件もセシウム牛も影響していない。
4月以降の飼料代、人件費などの必要経費を考えれば最終的な負債額は遥かに多い事に。


安愚楽牧場のオーナー制度のシステムでは、オーナーが契約を結べば、それが売り上げに含まれるらしい。つまり1027億円を超える売り上げには、実際の枝肉販売高などにオーナーとの契約金額も含まれているもよう。


負債の619億には、本来ならオーナーへ返さねばならない金額(満期が来たら安愚楽がオーナーの繁殖牛を買い取るシステム)は、恐らく含まれていないと思われる。
オーナーへの返済予定金額は今のところ不明。


では、オーナーへの返済(?)まで含めた実際の負債額はいったいいくらになるのか???

報道を見るだけでも、1億円を投資している主婦とか、2500万だとか700万だとか、
高額の投資をした人もいるようで・・・・

下手すると「恐ろしいほどの金額」の負債という話になってくるのではないだろうか。


※心配している事

・換金のための牛の一斉放出による価格低下
(尤も、4月あたりから尋常でない数の出荷がなされていたという話もあるので、今更?)
(子牛の放出があれば、一時的に子牛の価格低下もあるか?) 

・畜産関係業者(取引先)の倒産
 飼料、製薬、運送、敷料(おがくずなど)、獣医、削蹄師、受精師など
(債務調査中を理由に支払い停止状態になっている)
(生きた牛が相手なので、支払いが無いからと飼料を提供するのを止めるわけにはいかない)

・預託農家はどうなるのか?
(現在の飼料代などの支払いがどうなるのかも心配だが、債務の整理が行われた後の預託農家の運命は?)


宮崎では現在、西都、小林、野尻の3か所の直営農場が稼働中。
預託農家も多いはず・・・・
それに伴う関連業者も多いわけで、受ける影響も大きなものになりそうです。
既にあちこちに影響が・・・・

安愚楽牧場の従業員さんや、多額の投資をしている人の事も気になりますが、
畜産農家としてはやはり、安愚楽以外の畜産関係業者への影響の方を心配してしまいます。

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