肥育期間の長いお肉は脂質が良い
・・・・・という結論は出た(?)のですが、それは科学的に研究されてるの?って話です。
これは、
オレイン酸(C18:1)は牛肉の脂肪中に尤も多い不飽和脂肪酸で、脂肪の味や香りの良さは、オレイン酸割合の高いものほど優れていると言われている。
オレイン酸の多い牛肉脂肪は、口溶けが良いので牛肉の食感や風味に関係していると考えられる。
ってのが前提になってる話なので、当ブログでも「牛肉の脂の質」
http://koji.air-ifty.com/cozyroom/2011/04/post-44ff.html
ってのを書いた次第です。
もうね、これから先は長いし(笑)、「あたしゃ、この文章書くためにこれだけのことを調べたんだよ!」ってのを確認したいがための自己満足の世界だから、余程興味のある人意外は読まなくっても良いよって思ってます。(自爆)
まぁ取り敢えずは残しておきたいわけで、こうして書いてるわけですけど。
※肥育期間と脂の質に関しては、オレイン酸を抜きにしたものもあります。
★牛枝肉における脂肪融点の現状と脂肪交雑と融点の関係
(H17年 広島県:河野雪雄、長尾かおり)
これは皮下脂肪の融点について黒毛和種、交雑種、ホルスタインの種類別、去勢牛と雌牛との違い、屠畜月齢の違いを調べたもの。
・黒毛和種の融点10~30℃、交雑種の融点15~30℃、ホルスタイン種20~40℃で、品種ごとでの平均値では黒毛和種、交雑種、ホルスの順に低い。
いずれの品種でも去勢牛より雌牛のほうが低い。(胸最長筋の脂肪交雑の融点についても同様)
・融点は屠畜月齢がますと共に低下する。(品種に関わらず。また脂肪交雑融点も同じ)
・融点と脂肪交雑の間に相関関係は求められない。
※この脂肪融点に関しては、個体差が大きく飼養管理による違いが大きいとも述べられている。
※肥育期間と肉質及び脂質に関するもの(中身は抜粋)
★月齢に伴う黒毛和種肥育牛の皮下脂肪酸組成の変化と種雄牛並びに、牛脂肪の脂肪酸組成が食味性に及ぼす影響
(兵庫県 畜産技術センター)
父牛が同一の黒毛和種去勢牛を10か月齢から同様に肥育し、30ヶ月齢でと畜した物、34ヶ月齢でと畜した物について比較したもの
・枝肉の格付け成績は、有意な差はみられない
・但馬牛去勢の34ヶ月齢までの長期肥育は飼料効率は低下したが、オレイン酸などのモノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合が増加。
その影響は体表に近い脂肪に比べ深部の脂肪ほど大きくなる
★鳥取和牛肉の脂肪酸組成割合に与える要因について(第1報)
鳥取県内で飼養・と畜された牛枝肉の脂肪酸組成割合を調査
・去勢に比べ雌の方が、と畜月齢が長くなるにつれてMUFA(モノ不飽和脂肪酸:オレイン酸など)割合が高くなる傾向が見られた
※肥育期間以外に、種雄牛の違いでのオレイン酸の変化を調べたもの(中身は抜粋)
★月齢に伴う黒毛和種肥育牛の皮下脂肪脂肪組成の変化と種雄牛差並びに、牛脂肪の脂肪酸組成が食味性に及ぼす影響
岡山県総合畜産センターで肥育した黒毛和種のうち種雄牛が異なる4群16頭で調査
(18~28ヶ月肥育)
・4群とも月齢が進むにつれて、不飽和脂肪酸割合が増加
(左側第6~7胸椎間の僧帽筋と光背筋の間の皮下脂肪を採取)
オレイン酸割合も月齢が進むにつれ増加したが種雄牛により増加幅は異なり、24ヶ月齢以降は4群とも変化に有意な差は見られなかった。
・オレイン酸割合の18ヶ月例以降の経時的変化の様相は種雄牛の違いが影響している
種雄牛によっては28ヶ月齢時においてオレイン酸値が高くなるものもある。
※この研究では、同じ和牛肉(黒毛和種上腕筋ミンチ)を使い
1・オレイン酸割合の高い和牛脂肪
2・オレイン酸割合の低い和牛脂肪
3・オレイン酸割合の低いホルスタイン種由来の脂肪
を、混ぜたパテを使った食味検査(官能検査)も行っている。
1が一番食味にも優れておりオレイン酸を主体に不飽和脂肪酸割合が高いものが食味性も優れると思われると結論付けているが、実際に消費者が牛肉で味わう食感は調理法や肉の形状によりことなり、検査に使った牛肉パテとの食感の差があることから、サンプルの形態が評価結果に及ぼす影響は否定できないともしている。
★和牛肉の脂肪酸組成について(その2)
(岡山県総合畜産センター)
全国和牛登録協会(全和)鳥取大会、及び2009年全和現場後代検定合同調査会(神戸市場)の結果を踏まえた報告
オレイン酸リッチな和牛肉はおいしさのみならず、健康上も優れた食材であり、その特徴を広くアピールすることでさらなる需要を喚起していく必要がある(ってことらしい)
・オレイン酸の割合は、枝肉の他の形質とは独立したものと考えられ、鳥取全共第9区の出品牛もBMSNo.や枝肉重量とオレイン酸割合は相関が見られない
・脂肪酸組成は、性別、月齢、飼料内容によって異なるが、出荷月齢がほぼ同じであった鳥取大会においても差が大きいことから遺伝的影響が大きい
(岡山県の基幹種雄牛の場合は脂肪交雑能力の高いものは、脂肪質も優れていることが伺われる)
☆私なりの結論
・オレイン酸を含む不飽和脂肪酸が美味しさに与える影響が大きいと仮定しての話だけど、肥育期間や種雄牛によって牛肉の美味しさは違ってくるのかもね。
・枝肉の格付けとオレイン酸の数値は、必ずしも相関していないみたい。
・んでも、オレイン酸値の数値だけでは牛肉の美味しさは語れないでしょ。
ってわけですが(笑)、牛肉の美味しさはやはり、遊離アミノ酸(FAA)や核酸の事を抜きには語れないものもあるわけでして。
また、「飼料(ビタミン給与方法を含む)」や「肉の熟成の方法」でも美味しさは変わってくるような気がします。(っていうか、肉の熟成の影響は大きいと思う)
これらについては
★牛肉の美味しさ成分に及ぼす遺伝的影響
(兵庫県 畜産技術センター)
★肥育期間の違いが但馬牛の産肉及び枝肉形成に及ぼす影響
(兵庫県 畜産技術センター)
★牛肉の脂肪酸組成およびアミノ酸組成に及ぼす各種要因について
★牛肉の美味しさと生産技術
(日本獣医生命科学大学 木村信熙)
★肉の成熟化における酵素の働き
(経営アドバイザー 木村勝紀)
あたりを参照して下さい。
文中の参考資料に関しては、過去の「養牛の友」や「肉牛ジャーナル」の記事やネットで調べた物、新聞記事によるものなどあって、リンクを貼れずにおります。
より詳しい内容を見たければ大概はタイトルで検索できるはずです。
※また、オレイン酸値に関しては次の様な報道記事もありますので参照ください。
鳥取全共を終えて(3)肉のおいしさの行方ーー「サシ」偏重の改良に一石
http://www.nca.or.jp/shinbun/20071116/rensai071116.html
第8~9区は24か月齢未満の牛をと畜して、枝肉を審査する部門だ。優勝牛には毎回セリで高値がつくため、大会の華とも言える。各農家の肥育技術を競う場であり、今後の種雄牛の人気を左右する区でもある。
第9区(去勢肥育牛)には38道府県から76頭が出品された。父牛は95年10月以降生まれが条件。これを制したのは宮崎県の「日向国」の産子。母の父は「安平」。23か月齢で枝肉重量は488・3㌔、BMS(脂肪交雑)ナンバー12。セリではキロ1万5040円の高値がついた。2席も同じ宮崎県の「福之国」の産子。母の父は「上福」。
同じ種雄牛の産子2頭を出品した県が多い中で、宮崎県は異なる父からの出品で1、2席を獲得し、層の厚さを見せた。8県から15頭が出品された「安茂勝」の産子は2頭が優等賞に入った。
第8区は出品牛3頭による総合的な審査で、父牛は00年10月以降生まれが条件。後代検定の結果が出始めた若い種雄牛の能力を競う場だ。
今後の改良の方向を見ることができる区でもあり、次世代の名牛を全国に送り出そうと、21道県から出品があった。1席はこれも宮崎県の「安平桜」の産子群、2席は山口県の「福美美」の産子群。3席となった岐阜県の「飛騨白真弓」の産子群の1頭には、今大会の最高値であるキロ単価2万2710円が付いた。
今大会から枝肉審査の補助的な基準として取り入れられたのが、肉のうまみに関係するとされる脂肪中の「オレイン酸」の含有率だ。
肉質で序列がつかない場合、含有率の高い方を上位にすることになった。9区の上位入賞牛で実際に適用された場面はなかったが、含有率61・1%と最も高かった石川県の出品牛に「脂肪の質賞」が贈られた。このような基準が採用された背景には、これまでの「サシ」重視の改良が、ひとつの転換期を迎えているということがある。
審査委員長を務めた全国和牛登録協会の吉村豊信専務は「(最高級の肉とされている)BMSナンバー12の枝肉断面を見ると分かるが、脂肪割合は50%を超えている。30%を超えると油っぽく感じるという調査もある中、難しい時代に入ったと言える」と話す。
もちろん今でも、流通現場ではどれだけサシが入っているかが、価格面での大きな要素となっている。今大会で新たに取り入れられた「脂肪のうまみ」という考え方が、今後どこまで浸透していくかが注目される。
(2007/11/16) 全国農業新聞
カメラで牛肉おいしさ判定 目指すは「携帯で品定め」
http://www.47news.jp/CN/201001/CN2010012901000970.html
高級ブランド牛「飛騨牛」産地の岐阜県が、赤外線カメラで牛肉のおいしさを判定する技術を開発し、試食会で効果を検証する様子が29日、報道陣に公開された。
来年春までに食肉加工場で実用化したいとしており、県の担当者は「将来は携帯電話のカメラで店頭で撮影し品定めができれば」と話している。
県によると、牛肉の脂の食感や香りはうま味成分「オレイン酸」の量の多さが決め手。新技術では赤外線の一種「近赤外光」を読み取り画像を分析、成分ごとに違う光の波長からオレイン酸の量を判定する。
この日は、2種類の飛騨牛しゃぶしゃぶで効果を検証。試食した消費者や畜産関係者24人のうち半数を超える14人が「もっと食べたい」と回答した肉は、新技術の分析でもオレイン酸が他方より多く含まれていた。
2010/01/29 19:03 【共同通信】
スタジオパーク 「牛肉 変わるおいしさの基準」
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/200/61444.html
豊後牛のうまさ新基準 県が策定 オレイン酸55%以上
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news/20110203-OYT8T00109.htm
県と食肉販売業者などでつくる県豊後牛流通促進対策協議会は、豊後牛のおいしさの基準を独自に定めた。肉の口溶けや風味に関係するとされる「オレイン酸」の含有率が55%以上ある牛肉を「豊後牛おいしさ基準適合牛」とし、9日から県内9か所のスーパーなどで売り出す。県によると、牛肉の品質について独自の基準を設けたのは、長野県に次いで2例目。
県畜産振興課によると、オレイン酸は脂肪の中に含まれる不飽和脂肪酸。オレイン酸の量が多い牛肉ほど風味が良く、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあるとされる。
同協議会は、脂肪分や肉量による肉質等級に加え、オレイン酸量にも基準を設けることで消費者に分かりやすくし、消費拡大につなげたい考えだ。
オレイン酸の量は、県畜産公社(豊後大野市)が専用の簡易測定器を使って測定。含有率が55%以上だった場合、公社が証明書を発行する。スーパーなどの店頭では、パックに「豊味(うま)いの証」と書かれたシールを張って販売する。
9日から販売するのは大分市のトキハ本店や県畜産公社の直売店など。入荷状況によっては店頭に並ばないこともあるという。協議会は順次、取扱店を増やす考え。
県畜産振興課は「適合牛は、豊後牛の中でも最上級の肉質なので、ぜひ味わってほしい」とPRしている。
(2011年2月3日 読売新聞)



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すんげー長い文章なんで、マジに興味のある人だけ読んでもらえば嬉しいです。
なんかね、これだけの文章を書いてもやっぱり「オレイン酸数値がなんぼのもんじゃい、あたしゃ卸屋さんや肉屋さんの見る目を信じるけんね」と思っているワタクシがいます( ̄▽ ̄)わはは
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