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2011/04/30

牛肉の脂の質の話

20110420

▲食事中

牛の肥育期間とお肉の関係の話(3)を書く前に、やはり脂質のことを書いておかねば、と思います。

牛肉(特に黒毛和牛)の美味しさの秘密って何だろう?って話になると、よく言われるものには

・とろけるような柔らかさ

・えもいわれぬ芳香

・肉の持つ甘み

ってのが、挙げられます。

この3つを作るのは「脂」だと言われています。
良質な脂が、肉に与える影響は大きいようです。

肥育期間の長い牛のお肉は、脂の質が良いってことは肉屋さんや卸屋さんなど市場関係者の間では共通の認識みたい・・・・って話を書きました

(参照:牛の肥育期間とお肉の関係の話(2))

では、良質な脂ってどんな脂?

肉の仕事に携わる人達の言葉として、よく耳にしたり目にするのが

・純白よりもクリーム色がかったもの

・硬いものより、柔らかいもの(ただし柔らかすぎるものはダメ)

・融点の低いもの

こういった脂の枝肉を良い肉だと言い、実際、彼らは好んで購入していきます。

で、そんな脂質の秘密を解き明かそうと、色々な人が研究してるわけですが・・・・




脂肪を構成するものに、脂肪酸というものがあります。
脂肪酸はさらに飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類されます。

この不飽和脂肪酸の量は、牛肉の「おいしさ」に深く関わっており、
不飽和脂肪酸を多く含む脂肪は柔らかく、風味も良くなるといわれています。

宮崎大学農学部 入江正和教授は次の様なことを書かれています

サシがあるからといって美味しいわけではなく、そのサシがある程度低い融点を持っていることが重要

かつ融点が低くてもリノール酸が多く含まれているサシは美味しくない。

多価の不飽和脂肪酸であるリノール酸などが風味を落とすのに対し、1価の「オレイン酸」は風味を増す。

兵庫県の畜産技術センターの研究リポートによると

不飽和脂肪酸のうち二重結合を一つ含むものをモノ不飽和脂肪酸(MUFA)、二つ以上含むものを多価不飽和脂肪酸という。

一般に脂肪酸の融点は、炭素数が増すと高くなり、二重結合の数が増すと低くなる。したがって脂肪酸の構成によって脂肪の融点が異なる。

融点は口溶け、なめらかさ、こくなどの食味に影響し、オレイン酸などのMUFAの割合が多いと風味が良いと言われる。

要するに・・・・・・

牛肉の脂の美味しさを決める要素のひとつにはMUFA、中でも「オレイン酸(C18:1)」の数値が重要

・・・・・ってことになってるみたいです。

もうひとつの「飽和脂肪酸」の中で、忘れてはいけないものに ステアリン酸 ってヤツがあります。

このステアリン酸、コレステロールを上げるとか言われたりもしていますが・・・・

これの多く含まれた枝肉では、

・脂肪の色が真っ白

・融点が高い

しかしながら、脂の白と肉の赤が際立ち、カチッとした美しい枝肉断面になるって話もあるようで・・・・

    ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

来年開かれる第10回 全国和牛能力共進会(和牛全共)では、食肉脂質評価の審査も行われます。
オレイン酸を含む「一価不飽和脂肪酸」の数値の利用を想定しているらしいです。

それに先立ち、第9回和牛全共では「脂質の賞」が設けられましたし、各地で行われている枝肉共励会でも

「この枝肉の脂はすごいで賞」 (正式名称じゃないですよcoldsweats01

みたいなのを作ってるブランドもあるようです。

また「信州プレミアム牛」、「鳥取オレイン55」といったオレイン酸数値を売りにしたブランドも出てきているのはご承知のとおりです。

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実際に、オレイン酸数値で賞を貰った枝肉を購入したバイヤーさんに聞くと・・・・・

「やっぱ、(旨さは)オレイン酸だけじゃないよ」

なんて答えも返ってくるわけですが(笑)

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枝肉の話」カテゴリの記事

コメント

直球・ど真ん中な記事ですので、コメントしづらいですね。
人の舌って単純ではないでしょうから、その時々、人それぞれ、老若男女、旨み感じ方は数字では表せられない気がします。現に私の舌では、旨いのレベルが低いので、ある一定以上では判別不能、飽和します。残念、狭すぎ。
逆に、食べ合わせで肉の味を最も引き立たせてくれる野菜とか、調理方法とか、の組合せがあると、その牛肉は最高の味になると思う。
宮崎牛=宮崎牛の味、ではなく宮崎牛という素材名であって、あとは消費者が好みの味を望んでランク毎に手に取るのだと思います。
ひとつ質問を。
A3の肉、A5の肉、つくるのにはコストは変わるのでしょうか。それとも、全てA5を狙っていて、中にA3、A4と出てくるのでしょうか。はたまた、血統によって、いやいや牛の状態を見て、ランクに合わせた飼い方をしているのでしょうか。失礼な質問、かつ経営方針・企業ひ・み・つに影響しそうな内容で申し訳ありません。

kawabataさん

直球ですかね?(笑)
そして、「企業ひ・み・つ」になるような答えにくい質問も(大笑い)

>人の舌って単純ではないでしょうから、その時々、人それぞれ、老若男女、旨み感じ方は数字では表せられない気がします。

そう、そうなんですよね。これには非常に共感します。
いくら偉い人が色々と語ったところで「各個人の旨味センサー」に適うものは無いと思ってしまうのです。
そういう意味では「オレイン酸数値」がなんぼのモノじゃ!って。

でも、飽くまでも「見た目」の格付けに頼らず「旨味」を求めるのには「オレイン酸数値」ってのも「有り」なのかもしれないなぁ・・・・なんてことも思うわけであります。
格付け=美味しさだと思ってる人も、まだまだいるわけですし。


・・・・んで、答えにくい御質問の答えですが・・・・

肥育の考え方って色々あって、飽くまで5等級狙いの人もいるし、3等級狙いで肥育している人もいます。

ウチの場合、JAさんを通して出荷しておりませんし、県共や全共を意識して肥育をしているわけでもありませんから「宮崎牛」にこだわる肥育農家さんと一緒くたに語れないと思っています。

県共、全共などを狙っている肥育農家さんなら、少数精鋭って考え方で、期待できそうな牛に特別の餌を与えたりとか、しているのかもしれないです。
また、血統や系統で餌の与え方を変えたりもしていると思います。

ウチは頭数が多いですから、全ての牛で4、5等級(上物)を出すのは無理だとわかってるし、3等級が出るのも当たり前だと思っています。そういう買い方、飼い方をしてると言えばわかってもらえますかね?

もちろん、肥育技術が劣っていると思われたくはありませんし、長年出荷を続けている神戸市場の買参人さん達の信用を失うわけにはいきませんから、それなりの血統のものを選んでいるつもりですし、自分で設計した飼料を使って餌にも拘っているつもりでいます。
ですが、これは絶対に5等級、BMS二桁をねらうぞ!という飼い方は特別にしていません。
ですからウチの場合は3等級だろうが5等級だろうが、肥育に掛かる経費は同じです。
これで良い?

おいそがしいところ、答えて下さりありがとうございます。
肥育という仕事をあまり知らないものですから、お聞きしたかったのです。企業秘密的な内容も、多少ポップに質問しないと答えてもらえないかなと。
なるほど、「宮崎牛」ではなく、「山崎牛」なのですね。完全なるオリジナルブランドなので、信用と品質、安全性を担保しなければならない。しかし、お客さんがつけば強いわけですね。そうなると、常に一定の量を生産し続けなければならない。うーん、難しい所ですね。でもハードルが高い分、おもしろそうです。
飼い方はやはり全体を同じように飼って、できてきたものの中からそれぞれの格付けのものができてくるのですね。そんな中でも、少しでもいいものを創りだしていく事が求められるのでしょうし、そうしないと買ってもらえないし、経営にかかわる。ということは、どの牛に対しても飼い方、コストが同じということであれば、大事なのは初期投資のところなのですね。血統とか、牛の状態、そしてその牛を飼っている人、それぞれが初期投資として機能しないと、出荷の段階で差ができてくるというところでしょうか。セリ市で牛の選定に真剣になるのは最もなことで、そこの選定の差が経営の差ということかな。ある意味、その牛を飼っている繁殖農家さんを見極める目が、ホントは企業ひ・み・つ、だったりして。

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