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2010/10/16

口蹄疫・日本農業新聞「口蹄疫 課題と対策」専門家に聞く 3

2010年8月20日

家保に診断体制整備

東京農工大農学部 白井 淳資(しらい・じゅんすけ)教授
(10年前の発生時に、農研機構・動物衛生研究所海外病研究所に勤務。専門は獣医伝染病学)

 今回の口蹄疫では、豚への感染が確認されるまでは、殺処分による防疫体勢は着実に行われていた。しかし、飼養頭数の多い豚への感染が確認されてからは、殺処分や死体の埋却地確保に手間取り、大幅な防疫対策の遅れが生じてきた。

 また、数多くの家畜が集約化されて飼育されている川南町に感染が広がったことが致命的で、殺処分が間に合わなくなり、病気を抑えきれなくなった事が拡大の大きな要因だ。

 口蹄疫が始めて診断された都農町の発生では、初期診断の対応が遅れ、川南町に感染を拡大する要因になったと考えられていることから、現在の口蹄疫診断体制に問題があると思う。

 現在、口蹄疫の遺伝子診断は農研機構・動物衛生研究所の海外病研究施設でしか行えないことになっている。口蹄疫かどうか判断して動衛研に診断を依頼するのは、各県の家畜保健衛生所の役目になっているものの、現在は臨床症状しか判断する材料がない。各県の家畜保健衛生所でも、鳥インフルエンザのように診断できる体制を整備した方がよいと思う。

 遺伝子診断なら生のウイルスを扱うこともなく安全で早期に診断が行える上、感度も高く最近の技術では信頼度も向上している。確定診断は動衛研に任せるとしても、反すう動物、特に牛の病勢鑑定には口蹄疫の遺伝子診断が行える体制を組み入れた方がよいだろう。


行政が埋却地確保

 もう一つは埋却地確保の問題だ。土地が狭く土地単価の高い日本では、なかなか確保できない。これからは畜産を営む際、埋却地を用意していなければ畜産を始めてはいけないとする案が出ているが、飼養頭数の多い養豚業などでは、そうはいかない。このような取り決めをすれば、ますます畜産業の衰退を招く恐れがある。

 地方の行政機構があらかじめ埋却地の候補地を考慮し、口蹄疫が発生した場合は使用できるような体制を整えておく必要がある。さらに、早期にワクチンを使用するなど、殺処分頭数を減らすことを考えた防疫対策を、飼育密度などを考慮しながら発生時の対策として考慮するべきではないかと思う。

 さらに今回の教訓から、種牛などの重要家畜は分散させて飼育するか、もしくは必ず一部を家畜改良センターなどに委託するようにしておく。そして今後は一切特例措置を認めず、殺処分による防疫対策が速やかに行われるようにする必要がある。


継続的な研究必要

 今までは口蹄疫に関する研究は動衛研だけでしか行われていなかったが、その人数も小数の限られた人たちだけだった。発生時に、診断業務に時間を割かれ、実務的な作業も行わなければならない機関に対して、継続した高度な研究を期待するのはかなり困難だ。

 この様なことから、継続的な研究を自由に行える優秀な人材を有する、また経済や統計学などの他分野から口蹄疫をとらえ研究することのできる大学が、研究体制を確立し、日本全体で対応できるようにした方がよいだろう。

 口蹄疫がわが国に侵入しないよう、近隣発生国の畜産に携わる人たちや、国内の関係者に対し、口蹄疫に十分な認識を持った人材を教育できる機関を設立させる必要がある。

 口蹄疫に対する感心や知識を持った人を多く輩出し、さらには中国や韓国と共同で研究に取り組み、東アジアから撲滅する機運を高め、わが国への侵入のリスクを軽減させる。海外からの人や物の行き来が盛んになってきた現在、このような体制を整え将来の発生に備えて、技術の高い日本の畜産を守っていく必要がある。

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