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2010/10/14

口蹄疫・日本農業新聞「口蹄疫 課題と対策」専門家に聞く 2

日本農業新聞 2010年8月19日

早期発見、迅速対応を

帝京科学大学生命環境学部 村上洋介(むらかみ・ようすけ)教授
(農水省口蹄疫対策検証委員会委員、農研機構・動物衛生研究所・元所長)

 いもち病は日本人なら誰でも知っている。米の生産の脅威となってきた歴史があるからだ。日本で本格的に畜産が始まって100年余り。口蹄疫の恐ろしさを多くの日本人は初めて知ったといえる。一方、畜産の歴史が長い国では口蹄疫は誰もが知る病気だ。食料の安全保障上の脅威となると知っているから、国家防疫が徹底されている。それでも2001年に英国で大流行し、フランス、オランダに飛び火した。

 日本では、10年前の記憶が残り、口蹄疫を「この程度の病気」と思い込んでいなかったか。当時は、症状が見えないまま感染が広がった。患畜の発見には、血液を採り、抗体を調べて感染家畜を摘発するしか方法がなく、検査数は膨大だったが、計4件で終息した。感染力が弱く、豚に感染しなかったことも拡大しなかった一因だろう。

多様な動物に拡大

 口蹄疫のキーワードは「多様性」だ。ウイルスは変異しやすく、感染する動物種も非常に多い。そのため、発生地の家畜の種類や飼育密度で症状や広がりが左右される。

 2001年の英国では、汚染国由来の畜産物を感染源に豚が感染、食肉処理場で発見された。しかし拡大させたのは症状が見えにくい羊だった。初発農場近くの16頭の羊が感染し、広域に移動。発病豚の発見時には、2万頭を超える羊が感染していた。当時、英国の畜産経営は厳しく、行財政改革が進む中で公的機関の獣医不足や畜産関連施設の統廃合が進んでいた。拡大の背景に、発見遅れに加え、家畜の長距離移動で病気が拡大した構造的問題もあった。

 当時、英国の雑誌『エコノミスト』が「今回の口蹄疫の惨禍は、斜陽の畜産業への資本の低投入が招いた一つの兆候」と指摘した。初発の養豚場では、法律で義務付けられている残飯の煮沸消毒の燃料費も削っていた。この種の感染症は脆弱なところを襲う。経済性の追求は、ある面で感染症リスクを高める事を海外から学ぶべきだ。

国家連携して防疫

 対策の原点は、早期発見だ。発見が早いほど被害は少ない。早期発見のための実効性のある方策、発生規模に合った迅速な対応が大切だ。対応を誤ると、国の食の安全保障にかかわる問題になりかねない。地域と国が連携して迅速な防疫対策を行う必要がある。現在、アジアの新興諸国を中心に「畜産革命」と呼ばれる畜産振興が続くが、アジア全体では病気の封じ込めが不十分な地域があり、そこを中心に口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザなどの悪性伝染病が発生、近隣国に拡大・流行している。それを十分に知り、生産者自ら農場のバイオセキュリティー(病原菌などの侵入防止対策)を高める努力が必要だ。

 口蹄疫の清浄性を保つことで、コストはかかっても、国内で安全な畜産物を生産できる。畜産革命は将来、世界の食肉の需給構造を一変させる可能性もある。消費者も、どこでどう生産された畜産物を食べていくのか。肉や乳製品を取ることの深い意味をあらためて考える機会にしてほしい。

 グローバル化の時代、互いに病原体を持ち込まないよう気遣うのが、地球人としてのマナーだ。海外では現地のルールを守り、持ち込めない畜産物がないか、農場に行った靴や衣類などは着替えたかなどの気遣いが必要だ。逆に海外からのお客さんには、農場に病気を持ち込まない配慮をお願いする。

 汚染物が直接農場に入ったり、農場に立ち寄って汚染した衣類や靴などを介してウイルスが侵入したりすると、発生のリスクになる。JAや畜産関係者は、率先して農場のバイオセキュリティー強化に努め、関係機関にも「消毒し、病気を持ち込まないでください」と強く言っていく必要がある。

※読みやすいように改行に手を加えた。
  アンダーラインは山崎。

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