山崎畜産HP

ランキング参加中

無料ブログはココログ

« 口蹄疫・マスコミ報道他 10/16(土)~10/18(月) | トップページ | 口蹄疫・第12回 口蹄疫対策検証委員会 »

2010/10/18

口蹄疫・JA羽田会長、池亀獣医師インタビュー

口蹄疫「初動に疑問」 初期10日間の防疫検証を

JA宮崎中央会・羽田会長に聞く

 口蹄疫(こうていえき)が終息して約1か月半。28万頭を超える家畜が殺処分される未曽有の犠牲を払った惨事からの復興は、まだ始まったばかりだ。県内の農協を統括するJA宮崎中央会の羽田正治会長(73)に、教訓や復興への道筋を語ってもらった。(聞き手・甲斐也智)

 口蹄疫の感染が確認された4月20日から、8月27日の東国原知事による終息宣言まで「魔の4か月」だった。口蹄疫そのものというより、農業全体のあり方が問われた大事件だった。台風などの自然災害なら予知できる。しかし相手は細菌。目に見えないだけに脅威は大きかった。

 結果を見ると、初動がいかに大事かは数値で表れている。1例目が確認され、最初の10日間は1日1件ぐらいの発生だった。しかし、5月以降は多い時で1日10件、殺処分対象の頭数も数千頭に増えた。初動段階で、万全の体制が取れていたか疑問だ。

 我々は10年前にも口蹄疫を経験した。素早い殺処分や、埋却を含む防疫体制の重要性は分かっていたはずなのに、実際は鹿児島や熊本など隣県の対応の方が早かった。我々が初期の10日間にどういう対策をしたか、また、しなければならなかったかを検証しないといけない。

 国内初となるワクチン接種を実施した。是非が論議された当初、私個人としては「賛成と反対の気持ちが半々」という心境だった。感染が拡大し、5月上旬には「接種しかない」という思いに至った。結果として良かったと思う。当時は殺処分や埋却が感染に追いつかず、感染の速度を遅らせる時間稼ぎができた。

 復興に向けて、宮崎牛の今後について論議されている。従来のサシ(脂肪分)が入った宮崎牛だけでなく、赤身であっさりした肉を生産するべきだという意見もあるが、実現は難しいだろう。赤身の肉は豪州や米国でも生産されており、わざわざ競争に加わることはないと判断してきた経緯がある。仮に赤身を作っても価格面で対抗できない。

 畜産から田畑作への転換も重要だ。家畜の密度を適正化するために必要。ただ、殺処分された1300戸のうち、「畜産をやめたい」という農家は100戸前後とみられ、転換を容易にするための環境整備が求められる。

 具体的には、生産者が安心して野菜づくりなどに取り組めるように、販売体制を整えることが重要だ。「収穫して終わり」ではなく、消費者の口に入るまでの過程に、いかに携わっていくか。そのために加工施設を整備しなければならない。東京や大阪の消費地に運ぶ際も、加工済みの品をトラックに乗せると、1台当たりの輸送量が増え、物流コストも抑えられる。

 口蹄疫は、農業が県の基礎的産業であることを知らしめてくれた。その農業全体をどう見直し、復興させるか、課せられた使命は大きい。

(2010年10月18日 読売新聞)


以下は第63回新聞週刊にちなんで、宮日が報じた各テーマに関連のある人物や当事者に、紙面への注文や地元紙としてのあり方をインタビューしたもの。
6例目の水牛を診察した獣医さんのものなので、転載。

私はこう読む
宮崎日日新聞 2010年10月15日(金)

口蹄疫で家畜処分に従事した高鍋町の獣医師 池亀 康雄(いけがめ・やすお)さん
(聞き手 報道部・草野拓郎)

長期的に問題追跡を

-----------殺伐とした日々の中、新聞はどのような役割を果たしていましたか。

池亀  毎朝、新聞が届くのを待ち遠しく思っていました。宮崎日日新聞は読者向けに「口蹄疫Q&A]コーナーをつくるなど、皆にわかりやすく情報を伝えていた印象があります。情報量も圧倒的でした。印象に残っているのは、1面に掲載された川南の養豚農家森本ひさ子さんの手紙と写真。まさに、私たちが見てきた現場を伝える記事で共感しました。


----------5月20日から6月30日まで感染疑いやワクチン接種の牛の殺処分に従事されました。

池亀  現場は戦場でした。作業中に目の前で大けがをしたした人もいます。毎朝7時半ごろ家を出るときは、戦争に行くような気持ちでした。作業に達成感はなく、徒労感だけが募る毎日。自分たちが守ってきたものを自分たちの手で消していくことほどつらいことはありません。先のことはまったく想像できませんでした。ただ、地元の獣医師として、ここで現場に行かなければ一生後悔するという思いもありました。


---------本紙の口蹄疫報道に関して要望はありますか。

池亀  私は国の疫学調査で1例目とされる水牛を診察しました。牧場に対する明らかな誹謗中傷や流言、デマのことも取材してほしかった。「1例目は水牛」という結論ありきだった疫学調査の手法にも注目してほしかった。私たちにやましいところはないし、落ち度もないと考えています。一部で問題が指摘されている大規模農場についてはもっと突っ込んだ報道が必要だと思います。


--------今後、口蹄疫報道で地元紙に求められる役割は何でしょうか。

池亀  10年、20年先まで問題を追い続けることが地元紙としての責務ではないでしょうか。農家や地域の復興はもちろん、消毒は環境や人体に影響はないのか-----など実際に携わったからこそ不安に思う部分もあります。今回の防疫作業では、かつてないほど大量の消毒薬が使用されました。中・長期的に地域にもたらす影響を追跡してほしい。今後、仮に口蹄疫が発生した場合、殺処分と埋却という方法しかないのか、もう一度議論を喚起してほしいと思います。

« 口蹄疫・マスコミ報道他 10/16(土)~10/18(月) | トップページ | 口蹄疫・第12回 口蹄疫対策検証委員会 »

口蹄疫関連」カテゴリの記事

2021年10月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

ブクログ

  • ブクログ

ブログパーツ

  • 3月31日まで投票できます

  • ジオターゲティング