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2010/04/03

枝肉の格付の話4・・・歩留等級A・B・C

前回は「よりロスの少ない、効率の良い枝肉を選ぶめやすにするために、数値化して等級として表した物が歩留等級」という事を書きました。

では「歩留等級」は、どうやって決められるのでしょうか?

歩留等級にはA・B・Cがあります。

A=歩留基準値72以上(部分肉歩留が標準より良いもの)
B=歩留基準値69以上72未満(部分肉歩留が標準のもの)
C=歩留基準値69未満(部分肉歩留が標準より劣るもの)

この歩留基準値は下の計算で求められます。

歩留基準値=67.37 +〔0.130×胸最長筋面積(c㎡)〕
                    +〔0.667×「ばら」の厚さ(cm)〕
                    -〔0.025×冷と体重量(左半丸枝肉kg)〕
                    -〔0.896×皮下脂肪の厚さ(cm)〕

                (ただし肉用種枝肉は2.049を加算)

筋肉間脂肪が極端に厚い物、モモの部分の肉が少ない物などは歩留基準の補正が行われます。
(計算上はAでも、補正によってBになったりします)

下の写真は大体の測定場所。
正確には「ばら厚は肋骨の中央部分」とか「筋間脂肪は広背筋の上部」とか色々あるみたいです。

Photo

測定の結果が、

胸最長筋(ロース芯)面積・・・81
ばらの厚さ・・・6.5
枝肉体重(左半丸)・・・234.2
皮下脂肪の厚さ・・・2.7

この枝肉は上の計算式にあてはめて歩留基準値は76.0
したがって歩留等級は「A」

胸最長筋(ロース芯)面積・・・56
ばらの厚さ・・・7.3
枝肉体重(左半丸)・・・277.0
皮下脂肪の厚さ・・・5.5

計算式にあてはめて歩留基準値は69.7
したがって歩留等級は「B」

簡単に言うと枝肉の重量に対して

胸最長筋(ロース芯)がでかく、
ばら肉の部分が厚く、
皮下脂肪が少なくて
筋肉と筋肉の間の脂肪(筋間脂肪)が少ない肉

が、ランクは上になるわけです。

何度でも書きます。
AだのBだのCだのは、どれだけ肉の部分を商品として売る事ができるかを見極める「めやす」であって、肉質(サシが入っているかどうか、肉が柔らかいかどうかなど)にも味にも全く関係ないんです!
食べる側にとっちゃ、何の関係も無いんです!

しかし食べる側には関係なくても、卸屋さんや肉屋さんが求めているのは、ロスが少なくて利益が出やすいAランクの枝肉です。

生産者にとってもAランクの物は高く買ってもらえる枝肉ですから、当然より歩留の良い枝を目指すべきでしょう。

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いや、よく言われるんです。
「やまさきの肉は筋間咬んでる」って。
筋間脂肪が多いって事ですよね、はい、わかってます。
でも もうあきらめてます。(いいのか?)

次からは肉質基準について書いていきます。

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枝肉の話」カテゴリの記事

コメント

毎回大変勉強になります。

ひとつ、疑問があるのです。


歩留まりを求める計算式は、何故そういう計算なんでしょうか?
というよりは、実数が入っていますが、それは何処からやってきたのでしょうか。

素朴な疑問です。

ま、まさよし・・・おそろしい子。
それを私に聞くなんて・・・

まさよしさん

ども これは想像ですが、枝肉断面の測定値と
実際の精肉歩留まりとのデータを、数多く集めて 
それを突き合わせ相関を解析して割り出した 
数字なのではないでしょうか? 

不躾な質問をしたと承知で、二回目のコメントさせていただきます。


センム>すみません。
ここはYahoo!知恵袋でも、OKwebでも無いのは重々承知でしております。
しかし、私の知的好奇心が質問させてしまいました。ご容赦ください。

シャチョー>数多くの統計数値から割り出した……と、いうことはいつ時点の統計数値なのでしょうか。

和牛の改良は進んで脂肪交雑が改良されたのだから、歩留まりの数値も変わるのかな?
と、思いました。


そう簡単に格付けの基本となる数値が変わるといけないでしょうが。。。

まさよしさん

え~~っと、想像の続きです。
昭和63年の4月に格付け基準が見直されており、これは昭和60年1月の「食肉取引規格検討会」ってところの答申に基づいて決められたようです。
この時にそれまで無かった「歩留等級」が新規に導入されています。
ですから起点がいつかはわかりませんが、昭和60年以前の統計数字であるのは間違いなさそうです。

>和牛の改良は進んで脂肪交雑が改良されたのだから、歩留まりの数値も変わるのかな?

歩留まりの数値が変わる必要はないでしょう?
歩留まりの改良が進めば単にAランクの枝肉が増えるだけの事です。
それに脂肪交雑(サシ)の改良は歩留まりには関係ない話ですし。

勉強になります

たしか(自信はないけれど(-_-;))サシの基準は変わりましたよね(-_-;)


時期は不明ですが(-_-;)

兵庫の上物率がかなり下がった記憶があります


結局は見る目が変わると基準も変わるという事なんでしょうか(-_-;)

なんか場違いなコメントになってしまった(-_-;)

しんさん

ワタシも自信はないのですが(笑)
サシの基準が変わったわけじゃなかったはず・・・・
そこのところは「肉質等級」の「脂肪交雑」で説明していきます。

この前は大変ありがとう
ございました。

枝肉の格付の話
やはり携わっているからこそ
わかることで大変勉強になりました
確かに私たちも仕入れの上で
お客様に出せない部分(ロスになる部分)
が少ないほうが利益はでますよね
特に上物はそんなに高くはできませんし
その場所にあった値段設定や家賃や
従業員の数とかで変わってきますものね
まあうちは、家族でやっているので
お父さんのやりたいようにやってもらっていますが
(本音はちょっと苦しいかな)
こだわればこだわるほどというわけです
これからもいろいろ教えてくださいね

大門のお母さん

東京あたりの飲食店はやはり家賃の高さを反映した値段設定になってるみたいですね。
宮崎は家賃が安い分値段も安くなっていますが、都会に比べると
お給料も安いですから、そうそう高いお店には行けないのですけど。

ロスの少ない枝肉を作るのは生産者の目指すところでもあります。
だけど、皮下脂肪も筋間脂肪も、サシも同じ脂なので
どれか一つだけを増やすのはなかなか難しいみたいです。

こちらこそ、いろいろ教えて頂けると嬉しいです。

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