AだのBだの
牛肉通販のサイトなんかを見てると
「A5ランクの○○牛がこのお値段!」なんて言葉が書いてありますよね。
この「A5ランクのAって何よ」って話。
牛肉にはAだのBだのの区分けがあるんだけど、
これってサッカーで言えば一部リーグと2部リーグの
野球で言えば1軍と2軍の あるいはメジャーとマイナー位の差を思い浮かべるかもしれないですよね。
A5ランクとB5ランクじゃ、やっぱりAの方が偉そうでしょ。
なんとなくBよりAの方が美味しそうな気さえしてきませんか?
ところが、これって思いっきり簡単に言ってしまうと
「脂が多いか少ないか」なんです。
↓上がA4-6の断面、下がB4-6の断面。
肉屋さんの店頭で牛脂の塊が「ご自由にお取りください」って置いてあるを
見たことないですか?つまり脂身の商品価値は殆どゼロなんです。
お肉屋さんとしては同じ500キロの枝肉なら、脂身がたくさん付いてるより
商品として売る肉の部分が少しでも多い方が儲かりますよね。
枝肉のうち、肉がどの位の割合を占めているのか数値化したものを、専門用語で歩留等級(ぶどまりとうきゅう)と言います。
枝肉の断面を見て、下の様な計算をして数値を求めます。
歩留基準値=67.37 +〔0.130×胸最長筋面積(c㎡)〕
+〔0.667×「ばら」の厚さ(cm)〕
-〔0.025×冷と体重量(半丸枝肉kg)〕
-〔0.896×皮下脂肪の厚さ(cm)〕
で、この歩留基準値が
72以上(部分肉歩留が標準より良いもの)=A
69以上72未満(部分肉歩留が標準のもの)=B
69未満(部分肉歩留が標準より劣るもの)=C
と区分されてるわけです。
もっと詳しく書くと
ただし、肉用種枝肉の場合には2.049を加算して歩留基準値とするものとする。
なお歩留基準値の加算対象となる肉用種とは、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種
及び無角和種の4品種、並びにこの4品種間の交雑牛とする。
だの、歩留等級の補正がうんたらかんたら とややこしいんですが、
私ら素人がパッと見ても
「皮下脂肪の厚いのはBね」ぐらいはわかります。
もう一度別の断面写真。↓上がA4-6の断面、下がB4-6の断面。
要はAだのBだのは食べる側にとっちゃ、何の意味も無い ってことで。
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コメント
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なるほど。
確かに、部分肉に加工する際には皮下脂肪は邪魔なだけですね…
で、こうしてBMSが同じ写真を見ると肉質は大して変わらないですね。
さすがにA5のBMS2桁台になると、ムチャおいしそうですが
投稿: YOSHI@名古屋ベイエリア | 2010/01/06 22:19
写真を見比べると一目瞭然ですね!分かりやすいです。
やはりA・Bランクの枝単価の差はここで違うんですね!納得です
投稿: cowboy | 2010/01/07 00:34
要らないモノは買っても無駄だってよくわかりました、キロ単価いくらで枝肉をかう業者側から見た視線ですね。
子牛生産者側も皮下脂肪を無駄にいっぱいためこまない子牛を育てなきゃですわ(^_^;)。
投稿: ushikaidaisuki | 2010/01/07 07:09
まとめてレスです、ごめんなさい。
しょせん、格付けってのは肉屋さんや卸の業者さんが肉を買い付けるための「めやす」なわけですが、やっぱり格付けによって価格が変わってくるのは事実だから「しょせん」なんて言ってる場合でもないんですよね(笑)
枝肉販売の度に断面写真を撮って貰っているので、これからも参考になりそうな写真があれば載せていくつもりです。
でも、こうやって並べて比べてみると違いがはっきりして面白いものですね~。
今度は「イ」やら「ウ」やらの写真も探してみます(;´д`)トホホ…
投稿: センム | 2010/01/08 13:10
あくまで目安なんですけどね
やはりキロ単価で200円くらいちがいますからねぇ



割ってみないとわからない所がまた辛いですね
でも藤良系、気高系が増えてきた最近は特に目立つ気がします
全国的に、選ばれた血統しか使用しなかったため地域間の特色に差がありませんもんね
一昔前、安平×隆桜×糸秀のような骨しまり、歩留まりのいい枝を再び宮崎が取り戻せるか
生産者の責任と課題であります
投稿: しん | 2010/01/08 21:47
しんさん
系統的な傾向はたしかにありますね。
安平x隆桜 はいろんな意味ですごかったですね
安重守に期待しましょう。
投稿: シャチョー | 2010/01/11 06:32