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2009/10/13

増体重視の牛のお肉

増体は経営の友である」って言葉があるらしいです。

増体ってのは、牛の体重が増える事。
でっかくなる牛さんの事を「増体の良い牛」と言います。

枝肉ってのはキロ当たりの単価で落札されます。
例えば仮に枝肉の重さが400㎏、セリでの単価が2000円だと800000円。
枝肉の重さが500㎏で同じ単価だったら1000000円。

一頭の牛にかかる手間はかわりませんから、同じ20ヶ月間かけて肥育するなら、より大きな牛に育て上げ、枝重量を稼いだ方が効率が良い訳ですね。

そこで和牛農家は、より増体の望める血統の牛を好んで飼育するようになり、市場においても重量が500㎏を越すような枝肉がザラになってきました。

東京中央卸売市場の枝肉共励会の平均(肉牛ジャーナルより抜粋)

★H15年度
枝肉重量・・・・・平均471.1㎏(去勢492.2・雌402.2)
ロース芯面積・・・平均 56.1c㎡(去勢 57.2 ・雌 53.4)

★H20年度
枝肉重量・・・・・平均504.1㎏(去勢527.3・雌436.6)
ロース芯面積・・・平均 59.6c㎡(去勢 60.3 ・雌 57.4)

5年の間に、これだけの差があります。

んで!「牛がでかくなったのが、食べる方にとって何か関係あるの?」って話。

当然ですが、枝肉重量が増えるという事は、ロース芯もでっかくなります。

ロース芯から続く部位のサーロインの部分も面積が広くなるのは当然。
サーロインはステーキとして有名ですが、同じ200gのお肉でも面積が広くなった分、このステーキの厚みが薄くなっているのです。
食べる側からしたら、ちょっとショックでしょ?

神戸市場の買参人、かつ、ステーキ大好きおっちゃんは
「こんな薄いの、ステーキちゃう!でかい焼肉や!」と怒ってました(笑)

Photo

すき焼き屋さんでも、一人前160gをお客さんに提供するのに、昔は盛り付けた時の肉の美しさを考えてカットした80gの薄切りロースを2枚出していたが、それが出来なくなり1枚は大きい物、2枚目は小ぶりにカットした物を提供せざるを得ない状況になっているという話もあるようです。

購買者や飲食店が求める牛肉と、生産者が目指してきた枝肉の姿に、少々ズレが生じてきている様に思えるのですが・・・・・
なんかジレンマですねぇ。

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枝肉の話」カテゴリの記事

コメント

今は、枝肉市場でも大きすぎると嫌われますね。

  大きすぎるサーロインは

「スーパーの販売用トレーからはみ出してしまう」

んだそうです。

つい2年前は大きくても全然平気って感じでしたけどね。

和牛は 第7糸桜の出現で グンと大きくなり
平茂勝でさらに大きくなった 印象ですね。

今後は肉質、味への回帰が進んで行くのかなと思います。

肉質と増体を両方欲しがる日本人は欲張り…と思ってしまうのは私だけでしょうか。

いち消費者としては安くて安全でヘルシーで美味しい牛肉を早く食べたいと思います。


生産者から消費者までみんなが喜ぶ肉というのが今後出てくるのを期待してます。

たしかに、肉の味、肉質の回帰は始まっているんじゃないでしょうか?最近、〇〇酸(ど忘れしました(゚ー゚;)の話題がのぼります。
 始まってるんでしょう!( ̄ー ̄)ニヤリ

まさよしさん

「生産者の喜ぶお肉」と「肉屋さんが喜ぶ肉」「消費者が喜ぶ肉」は違っているとシャチョーは言ってます。生産者から消費者までみんなが喜ぶ肉って、どんなお肉になるんでしょうね・・・。
はぁ・・・・ジレンマですねぇ(笑)


cowboyさん

オレイン酸ですね!(って勝ち誇った様に書くあたり、まだまだ人間が出来てないわ、あたしって)
信州牛はオレイン酸の数値を出して、他の牛と差別化を図っているようです。神戸では宮崎大学と共同でイノシン酸の含有率の研究を進めてるらしいです。見た目重視の格付けから少しは変わろうとしているのかもしれませんね。

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